【働く】ライト工業防災技術部・宮本賢人氏…必要とされている実感 画像 【働く】ライト工業防災技術部・宮本賢人氏…必要とされている実感

人材

 ◇必要とされている産業と実感/安全・効率的な工法開発し社会貢献
 「国土の安全と安心を実現する専門技術者集団」を標ぼうするライト工業。地盤改良や斜面防災など専門土木分野のトップランナーとして業界をけん引する。近年、大雨による大規模な土砂災害の多発や首都直下地震、南海トラフ地震への懸念から、防災・減災に対する要請が全国的に高まっている。施工技術本部防災技術部施工開発グループ長の宮本賢人氏に、土木技術者としての自身の取り組みや技術開発の考え方などを聞いた。
 大学で土木工学を専攻した宮本氏が就職したのは2000年。同業他社で6年間勤務した後、06年にライト工業に転職した。
 宮本氏は、自らを公共事業への風当たりが強い時代に鍛えられた世代と表現する。「建設業界は、長引く不況や公共投資の縮減の影響で厳しい状況が続いていた。13年間、ひたすら現場管理に従事する中で、一つ一つの仕事を大切にして安全、品質、コストに対する感覚を磨き、社会に貢献するという使命を果たしてきた」と振り返る。
 それが一転、「東日本大震災以降、頻発する自然災害を受け、国土強靱(きょうじん)化関連の工事が大幅に増加している。市民意識も大きく変わった。以前は、建設業界に対する風当たりが強く、心情的につらい時もあったが、いまでは早く防災対策を講じてほしいと、住民の方が一緒になって協力してくれる。建設業界は社会から必要とされている産業なんだと実感でき、やりがいが高まっている」と現況を話す。
 13年からの2年間にわたる土木研究所への出向を終え、今年4月、現在の部署に配属。同社の主力部門の一翼を担う防災技術部で主に斜面防災工法の開発に携わっている。テーマは「効率化」と「危機管理」。開発に当たっては、社内提案制度を活用して現場からの要望やアイデアをくみ上げる。
 「斜面防災工事は常に危険と背中合わせ。一つの事故や小さなミスでも、長年にわたり築き上げてきた会社の信頼を一瞬にして失う恐れがある。そうした危険の芽を事前につみ取り、従来の強みと創意工夫を組み合わせ、安全で効率的に作業できる工法の提供を目指している」
 同社は昨年、クレーンの先端に特殊なアームとノズルを取り付け、遠隔操作でモルタルを斜面に吹き付ける「Robo-Shot」を実用化した。高所斜面での人力作業を不要とし、施工能力を5倍に高めた。安全、省人化を可能とする機械化施工として展開を図っている。
 土木研究所での2年間の経験は、宮本氏の視野を広げた。「土木研究所では、行政や大学、民間企業などからさまざまな研究者が集まり、10年、20年先を見据えた研究を行っている。会社の業績向上の面で実効性の高い技術はもちろん、長期的な視点で安心で豊かな社会の実現に寄与する革新的な技術の開発にも挑戦したい」。
 (みやもと・まさと)

働く/ライト工業施工技術本部防災技術部施工開発グループ長・宮本賢人氏

《日刊建設工業新聞》

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