物流デベロッパー・トップの視点(6):レッドウッドグループ、時間かけ川上から土地情報把握 画像 物流デベロッパー・トップの視点(6):レッドウッドグループ、時間かけ川上から土地情報把握

マネジメント

 物流不動産に特化した投資事業をアジア圏を中心に展開するレッドウッド・グループ。日本のほか、中国、シンガポールに拠点を置き、施設開発と資産管理を手掛ける。日本市場では3年後をめどに総延べ150万平方メートル規模の施設を完成させる計画。スチュアート・ギブソンCEO(最高経営責任者)は「最新の物流施設は非常に不足している。仕様・立地・賃料の3点を正しく押さえれば持続的成長は可能だ」と展望を語る。

 ――物流不動産市場をどう見ている。

 「会社を設立した06年以降、中国やロシアでの開発事業を進め、日本では、12年から本格的な事業を展開している。日本と中国に保有する物流施設の総延べ床面積は同程度だが、資産規模は日本が大きく上回る。開発事業は日本がメーンターゲットとなる」
 「物流施設は商業不動産というより、社会インフラそのものとも言える。景気の良し悪しにかかわらず社会に必要だ。供給過剰を危惧する声も聞かれるが、日本はストックが老朽化し、耐震性や天井高などが不十分な施設も多い。最新機能の物流施設は非常に不足しており、仕様・立地・賃料の3点を正しく押さえれば持続的成長は可能と考えている」

 ――今後の事業戦略をどう描く。

 「現在、建設した施設の総延べ床面積は24・7万平方メートル。10月までに新たに40万平方メートル、来年4月までに31万平方メートルの施設が順次完成する見通しだ。今後3年で150万平方メートル規模の施設が完成し、資産規模は3600億円に膨らむ。地方への進出は考えず、ゲートウエーシティーの3大都市圏に集中して事業拡大に取り組む」
 「ターゲットとする主要エリアのうち、人口集中地に近く、賃料水準も高い湾岸地域では、顧客への近さを重視するEコマース企業や宅配業者のニーズが高い。一方、近さよりも賃料の低さを重視する3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)事業者は首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の沿線エリアに目を向けている。既に開発許可が出ている土地を狙っても競争が激しいので、時間をかけて川上から情報を把握することが重要だ。自治体の都市計画などの関連情報を集める専門チームを核に開発用地の確保に取り組み、成果を挙げている」

 ――建設コスト高の影響は。

 「建設コストは地価よりも急激に上昇し、1年半前から約2割上がった。上昇傾向は落ち着いたが、高止まりしている。主要顧客のEコマース企業はコスト意識が高く、上昇分を賃料に転嫁することが難しい。幸いにも物流施設に対する投資意欲が内外投資家ともに旺盛なことからキャップレートが低下しており、コスト上昇負荷の軽減につながっている」
 「施工を担当するゼネコンは、施設規模に合わせて大手、中堅を使い分ける。価格交渉は、インハウスの設計チームなどを入れて円滑に進めている。品質や工程、予算管理などで日本のゼネコンは世界トップレベルだが、規格外のものを造る際には事業者側の助言も必要だ。互いに信頼関係を築きながら、魅力ある施設づくりを進める」

 ――施設の差別化に向けた取り組みは。

 「物流施設の働き手、特に女性従業員を意識したアメニティー機能の充実が重要だ。大阪・南港地区の開発物件では保育所やリラクゼーションスペース、ギャラリーなどを導入した。従来の倉庫の枠を超え、『リゾート』をコンセプトに木材や暖色系の照明などを取り入れ、内装にもこだわった。常に新規性を追求しなければ他社との差別化は図れず、将来の資産価値も下がる」。
《日刊建設工業新聞》

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