物流デベロッパー・トップの視点(5):グッドマンジャパン社長兼CEO、開発地の調査徹底しリスク回避 画像 物流デベロッパー・トップの視点(5):グッドマンジャパン社長兼CEO、開発地の調査徹底しリスク回避

制度・ビジネスチャンス

 物流や事業用スペースの所有・開発・管理事業をグローバル展開するグッドマングループ。日本国内では自社で開発した13棟の高品質な物流施設を運用し、総賃貸面積にして60万平方メートル以上のスペースを提供している。グッドマンジャパンのポール・マクギャリー社長兼CEO(最高経営責任者)は「より良い土地と顧客のスペースニーズをマッチングさせ、セレクティブなアプローチで事業拡大に取り組みたい」と意欲を示す。

 --日本市場での物流不動産の開発状況は。
 「快適な就業空間を創出する洗練されたデザイン性と優れた機能性を追求し、先進的な物流施設の開発で差別化を図っている。日本国内では自社で開発した13棟の物流施設を運用しており、現在は千葉と神戸で二つの開発プロジェクトが進行中だ。千葉ニュータウン(NT)の土地にはマルチテナント型、神戸の赤松台地区ではBTS(ビルド・トゥー・スーツ)型の施設を建設する」
 「物流ネットワークの構造改革も今後本格化し、先進的機能を持つ大型物流施設の需要はさらに高まるだろう。今後も開発事業を主体とした戦略により、顧客のビジネスニーズを踏まえたセレクティブなアプローチで、日本市場での事業拡大を図りたい」

 --今後の事業戦略は。
 「数字は追わないが、顧客のスペースニーズが存在する魅力的なエリアなら全国どこへでも出ていく。ただ、実体経済による内需拡大が進んでいない中で、物流施設の床供給量が増えているというアンバランスさには、将来のリスクにつながる恐れもある。グローバル企業として進出エリアの事業環境には地域差があり、悪いところでは無理をせず、グループ全体で成長できればいい」
 「地価や建築費が上がり、プレーヤーも増え、事業環境は良好とは言い難い。物流施設の供給量が増えれば、施設で働く労働者が集まりにくいエリアで空室率の上昇リスクが高まる。テナント側では居住人口が多く、開発した施設で働きたいと思える人たちを十分確保できるエリアへの進出ニーズが一段と強まっている。こうしたニーズに適切に対応するため、土地が持つ開発ポテンシャルなどの事前調査をきめ細かく行い、リスクヘッジの徹底を図る」

 --千葉NTで複数の大規模物流施設を段階的に整備するプロジェクトが始動した。
 「計画地周辺には住宅街や団地が点在する。労働力不足が深刻化する国内市場で、人が集まりやすいエリアは物流デベロッパーとして魅力的だ。『グッドマンビジネスパーク千葉』はビジネススペースとしての高度な機能性はもちろん、敷地内のアメニティーゾーンにはカフェやレストラン、託児所などを設け、働く人にとってもより魅力的な労働環境を創出する。トラックドライバーの宿泊施設を整備してドライバーを集めやすい環境も整え、施設の付加価値を高める」

 --建設費などコスト高への対応をどう考える。
 「正直なところ、コストダウンでできることは限られている。施工を担当するゼネコンとは緊密な協力関係を築き、コスト低減にも一体となって取り組む。自社で開発した物流施設の長期保有を戦略とするグッドマンは、目先の利益ではなく、長期的なバリューを重視する。それなりの初期投資を伴っても、高品質・高機能の施設を開発して長期的なリターンを確保することを戦略としている。日本のゼネコンの品質は世界の中でベストだ。たとえコスト面で高く付いても、それに見合う価値を得られる」。
《日刊建設工業新聞》

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