M2Mの草分けコマツが目指す「スマートコンストラクション」 画像 M2Mの草分けコマツが目指す「スマートコンストラクション」

IT業務効率

 コマツが情報通信技術(ICT)を活用して建設現場の工程全体を支援する新事業「スマートコンストラクション」の実績づくりに挑んでいる。2月の立ち上げ以来、毎月1度の頻度でデモンストレーションを交えたセミナーを開き、施工の効率化などの利点を訴求している。

 【毎月セミナーを開きまず知ってもらう】
 9月中旬の千葉市美浜区の沿岸部。コマツは2014年12月に開設した大型レンタル拠点で、毎月恒例のセミナーを開いた。デモでは飛行ロボット(ドローン)が空を舞い、油圧ショベルやブルドーザーが持ち味の自動制御機能をいかんなく発揮した。

 参加者は営業担当者の助言を受けながら建設機械を操り、性能を確かめていた。順番を待っていた参加者数人は別の担当者に、具体的な事例を想定して熱心に質問していた。

 スマートコンストラクションは、ICTで自動制御する建機を中心に、建設現場全体でICTを駆使し、生産性向上を狙う。コマツレンタルが建機、ドローンなどを顧客に貸し出す。

 ドローンが上空から撮影する測量に始まり、施工完成図面の3次元(3D)化、クラウド型システムによる施工計画のシミュレーションと、従来関わっていなかった施工の前段階にまで踏み込んだ。施工後のデータ活用まで含め、建設現場の一連の工程にICTを組み込んで効率化する。

 【深刻化する人手不足の切り札に】
 コマツがこの事業に乗り出したのは、建設業の人手不足がいま以上に深刻化するためだ。同社は25年には建設業で約100万人の労働力が足りなくなると試算する。特に熟練作業者が高齢化で現場を去ることが懸念される。スマートコンストラクションは熟練作業者がおらず、人手が限られる建設現場を回すための切り札になり得る。

 セミナーを取り仕切る竹内伸之コマツレンタル東京営業部長は「今はとにかく知ってもらう段階。試乗する時間を多く取っている」と狙いを説明する。1、2社への小さな開催を含め、これまで20回ほどのセミナーを開いた。

 採用実績はまだそれほど多くなく、都市部の小規模な工事ではメリットが出にくい面もある。それでも「一度使ったお客さまの評価は高い。生産性や安全面はどの現場でも評価していただいている」と自信をみせる。

 【参加者はドローンでの測量に関心】
 これに対して参加者はどう見たのか。小雀建設(横浜市戸塚区)の岡田太一土木部工事長は「一番面倒な現地測量が不要になるのは大きい」とドローンによる測量を評価する。

 建機の自動制御機能にも満足していたが、「自分たちの仕事でどれだけ使えるだろうか」と感じたという。自動制御建機は大型のため、同社が多く手がける都市部の小規模な土木工事には向かないと見るからだ。

 コマツもそうした反応は承知の上で、試乗を通じて自動制御建機の良さを体感してもらうことを重視している印象がある。スマートコンストラクションについても、理解してもらうために時間をかけて説明していた。急速な普及とはいかなそうだが、じっくり腰を据えて取り組んでいる。
(戸村智幸)

コマツの次なるICT活用「スマートコンストラクション」はいつ花開くか

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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