米需給引き締まり 卸に不足感じわり

マネジメント

 主食用米の需給が締まるとの見方が強まってきた。2015年産は近年になく生産調整がうまく進んだ一方、ここ最近の天候不順で豊作は期待できないとの見方が広がってきた。平年作であれば生産量は747万トンまで減り、9年ぶりに需要量を割り込む。民間が抱える在庫量も順調に減り、買い手には不足感から早めに米を確保しようとする動きも出始めた。

 農水省によると、15年産米は、飼料用米を中心に麦・大豆や稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ=WCS)への転作が進んだ結果、作付面積は141万2000ヘクタールになる見通し。生産数量目標の面積換算値142万ヘクタールと比べると、8000ヘクタール程度下回る。生産調整が04年に現行の仕組みになって以来、初めて過剰作付けが解消される。

 作況指数が平年作の100だった場合で計算すると、生産量は747万トン。前年産(788万トン)より41万トン少なく、需要量(770万トン)も23万トン下回る。需要を割り込むのは06年産以来だ。これに伴って来年6月末の民間在庫量も207万トンまで減り、米価安定の目安とされる200万トンに近づく。

 豊作になれば、需給緩和に向かう可能性はある。同省によると作況指数が1ポイント上向けば、生産量は8万トン増える。ただ北海道や東北など主産地を含む早場地帯(19道県)の作柄(8月15日現在)は「やや良」か「平年並み」。その後は日照不足や長雨が続き、作柄が上向く気配は見えない。全国の作況指数は「100を切る可能性もある」(JA関係者)との見方もある。

 需給を左右するもう一つの要因である民間在庫量も減っている。同省によると、7月末は前年比11万トン増の130万トン。ただ昨年7月末は、米穀安定供給確保支援機構が売り急ぎ防止対策として一時的に市場隔離した35万トンを差し引いているという特殊な事情があった。これを差し引かなければ、昨年7月末は154万トンで、今年7月末は事実上24万トン減となる。

 この市場隔離した35万トンは11月から販売が始まり、需給を緩めるとの指摘もあるが、「全て買い手がついており、そう影響はない」(大手卸)との見方が大勢だ。

 米の需給が締まる見通しが強まる中、天候不順による関東産の刈り遅れも重なり、買い手に不足感が広がっている。大手卸によると、卸の間で米を早めに確保しておこうと、まず価格の安い前年産を買い求める動きが活発という。

 「前年産米の在庫は多くない。取引先への安定供給を考えれば、新米は高いと敬遠しているわけにもいかない」(同)と今後は15年産米を買う動きも活発になるとみる。

米需給引き締まり 転作順調天候不順 卸に不足感じわり

《日本農業新聞「e農net」》

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