トンネル覆工の新技術続々…品質向上や人手不足補う技術など 画像 トンネル覆工の新技術続々…品質向上や人手不足補う技術など

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 東日本大震災の復興関連道路や北海道・北陸の両新幹線、リニア中央新幹線などでトンネル建設工事が急増する中、ゼネコン各社が山岳トンネルの覆工コンクリートの品質を高める技術を相次ぎ発表している。覆工コンクリートは、供用後に通行車両や歩行者が目にする永久構造物で、品質と共に見栄えも重要。コンクリート表面の品質管理を効率化する養生システムなど、現場の人手不足を補う省力化技術も目立つ。
 清水建設は、覆工コンクリート表面の品質管理業務を支援するシステムを開発した。表面を撮影したデジタル画像を解析し、ひび割れや剥離などの変状を抽出。展開図を作成して個々の変状の程度を5段階で評価する。作業時間は撮影から展開図の作成まで約3時間と、従来の手書きスケッチとCADによる作業の半分程度で済む。評価者の習熟度に左右されない高精度な評価結果が得られる。
 天井や壁面の覆工コンクリートに発生するクラックを防ぐためには十分な養生が欠かせない。大成建設は、岸利治東大生産技術研究所教授、民間5社と共同で、特殊構造の養生マットを用いてコンクリート表面を広範囲で均一に給水養生する工法を実用化した。従来工法の約半分の給水量で効率的な養生が可能になる。
 東急建設と土木資材メーカーのカンボウプラス(大阪市中央区、太田克則社長)は、空気を注入して膨らませる風船タイプのフレームを利用した覆工コンクリート打設養生システムを開発した。1スパン当たりの重量が約300キロと、鋼材などで構築する従来のフレームに比べ軽量なのが特徴。重機による組み立てが不要で、時間も大幅に短縮できる。
 高速掘進と覆工コンクリートの品質向上を両立させる新工法を開発したのは大林組。アーチ部の覆工コンクリートを打設する移動式型枠(セントル)内の型枠部(フォーム)を2組交互に移動させる方法と、ベルトコンベヤーを使って掘削ずりを運搬する方法を組み合わせる。後方で養生しながら前方で次の打設作業を進めることができ、60時間以上の長期養生を実現。ダンプトラックを使うのに比べ、切羽の作業員を最大25%程度減らせるという。
 戸田建設は、セントルと覆工コンクリートの接触によるひび割れを防ぐ監視システムを開発した。側壁部、肩部、天端部の5カ所に超高速・高精度レーザー変位計を設置し、打設後のコンクリートとセントルがラップする部分の離隔を常時計測する。事前に設定した管理基準を超えるとブザーと回転灯で異常を知らせる。ひび割れを抑制する薄鋼板製の補強材も開発した。
 西松建設は、施工中の残留空気やブリーディング水を特殊な吸引チューブを用いて強制的に排出する「マイスタークリート工法」の実績を重ねている。覆工天端部の狭い施工環境下でも確実にコンクリートを充てんでき、均質で高品質な施工を可能にする。13年2月に初適用し、施工実績は約2年間で計12件に達した。15年度以降も8現場への適用を予定している。
 土木研究所、鹿島、オリエンタル白石、カジマ・リノベイト、電気化学工業で構成するNAV工法研究会は、トンネル覆工コンクリートの剥落防止技術「NAV-G工法」を開発した。コンクリート表面に透明度の高い繊維強化プラスチック(FRP)を形成し、施工後のひび割れ状況を確認できる「NAV工法」を改良。使用する繊維シートの難燃性を高め、さらに耐火性を向上させた。

ゼネコン各社/トンネル覆工の新技術続々/品質管理で工夫、省力化も実現

《日刊建設工業新聞》

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