コンパクトデジカメ、高価格帯中心にシフト 画像 コンパクトデジカメ、高価格帯中心にシフト

インバウンド・地域活性

 デジタルカメラ各社がコンパクトデジカメ戦略の柱に据える高価格帯シフトが、市場にも定着してきた。店頭には価格が10万円クラスの機種も並び、平均単価は1年前と比べて1万円以上の上昇。高感度や超望遠といったスマートフォンとの差別化戦略が、各社の狙い通りの展開になってきた。市場は今後も大きな成長が見込めない。高価格帯でのシェア争いは一層激しくなる。各社は次の差別化戦略を模索する。

 高画質と高倍率の「王道」を基本路線とするキヤノンが6月に発売したのは、価格が10万円を超える「G3 X」だ。1・0型センサーを搭載した高画質と、25倍ズームを両立した点が特徴で、同社の高価格帯シフトを象徴する製品だ。コンパクトデジカメを担当する溝口芳之事業部長は「コンパクトデジカメ全体に占める高級機種の売上高比率は、2012年に比べて約2・5倍に伸びた」と手応えを感じている。

 キヤノンとともに“カメラ2強”の一翼を担うニコン。同社も3月に光学83倍ズーム機能を持つ「P900」を発売。価格も7万を超えており、同社も高級機の売り上げが金額、台数ともに伸びているという。両社ともに高価格帯製品の比重を増やしていく方針だ。

 他社に先駆けて高価格帯シフトを進めてきたソニーや富士フイルムも、超高感度や高画質を軸に5万円以上の価格帯の機種を拡充している。一方で2万円以下の低価格機から撤退したオリンパスは、基本性能の向上に加え「専門領域の深化」を付加価値として、高価格帯層の強化を図る。

 その象徴となるのが防水性や耐衝撃性を高めた「タフシリーズ」。顕微鏡のように撮影できる機能を搭載するなど、水中や昆虫の写真といった特定領域をターゲットにした製品展開を狙う。顧客を囲い込むとともに、5万円以上の機種は周辺アクセサリーの販売にもつながり、収益貢献も期待できる。

 半田正道オリンパス執行役員は「一般的な機能では生き残りが難しい」とする。その上で「大手に負けないくらいの画質は求めつつ、専門性を高めて差別化する」と強調する。

 国内の販売時点情報管理(POS)レジデータを分析する調査会社BCNの道越一郎エグゼクティブアナリストは「日常撮影はスマホが担い、それ以外の部分をカメラ専用機を受け持つ形が定着し、スマホとは決定的に異なるカメラが選ばれる傾向が強まっている」と指摘。「今後もこの傾向は強まる」と見る。そうなれば画質やズーム以外の競争軸も必要になる。ネットワークや周辺機器も含めた製品戦略がカギを握りそうだ。

コンパクトデジカメの価格はどこまで上がる?

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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