【地方創生】 世界のエンジニアを集める……島根県 溝口知事 画像 【地方創生】 世界のエンジニアを集める……島根県 溝口知事

インバウンド・地域活性

 島根県には、IT業界が注目するものが2つある。ひとつはPHPやPythonと並んで世界中のプログラマーが利用するRubyというプログラミング言語。もうひとつは島根県によるソフトウェア産業の振興策だ。

 すでに20年の歴史を持つRubyは、国産ソフトウェアとしては初めて世界的な普及を果たしたプログラミング言語。日本よりも米国での認知度のほうが高いといっていい存在だ。Rubyを開発したまつもとゆきひろ氏は、1997年から松江市に住んでおり、地元のネットワーク応用通信研究所のフェローとして、現在もRuby言語の開発と普及活動を続けている。

 また、島根県は地域の産業振興策の中で、IT、ソフトウェア産業で企業誘致やエンジニアの移住・定住などで効果を上げている県でもある。インターネットイニシアティブ(IIJ)といった大手企業の誘致に成功しており、このうち、IIJは、クラウドコンピューティングのためのデータセンターを島根県に建設している。

 このように特徴のある島根県のソフトウェア産業振興策だが、島根県がソフト産業に力を入れることになった経緯、その狙い・効果について、県知事である溝口善兵衛氏に話を聞くことができた。

――島根県ではIT企業の誘致に力を入れていますが、なぜでしょうか。

溝口知事:私が知事に就任したのは8年前の2007年です。そのころから地方は人口流出、過疎などの問題を抱えており、産業新興はどの自治体でも大きな課題だったと思います。島根県は古くから機械、精密機器など製造業も盛んだったので、当然これら製造業の設備投資支援や振興策を考えました。ここまでは他の自治体も同じだと思いますが、就任時に島根県情報産業協会を通じて、Rubyの存在も知りました。松江に世界中のエンジニアが使っているソフトウェアの開発者がおり、そのソフトウェアが地元のIT産業を支えている。これを生かす方法はないかと考えました。

――ソフトウェアやITについて思い入れやこだわりがあったのでしょうか。

 知事になるまえ、私は財務省、国際金融情報センターなどで仕事をしており、海外で生活していた時代もありました。そのとき、シリコンバレーやインドのバンガロールなどITの先端地域にも訪れています。バンガロールでは「ガーデンシティ」、サンフランシスコではパロアルトなどでは、その環境の良さと多くの企業が活躍する姿に感銘を受けました。日本にもこういう場所ができたらいいとは思っていましたが、Rubyの話を聞いたとき、自然に恵まれた島根県でそれが実現できるのではと思ったのがソフトウェア・IT産業を増やそうと思ったきっかけです。

――どんな支援策があるのでしょうか。取り組みなど教えてください。

 製造業は設備投資への融資策や補助金などがまず考えられますが、ソフト産業の場合、設備投資はそれほど大きな額を必要としません。しかし、これらの会社は東京の企業などから受注することが多く、出張なども多くなります。またベンチャー企業も少なくないため、運転資金の支援などもあります。
《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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