世界文化遺産、富岡製糸場保全・修理始まる 画像 世界文化遺産、富岡製糸場保全・修理始まる

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 1872(明治5)年に国内初の官営製糸工場として完成し、昨年6月に世界文化遺産に登録された富岡製糸場(群馬県富岡市富岡)。群馬県富岡市が今年、その保全・修理工事を開始した。現在は、蚕の繭を貯蔵していた倉庫(西置繭所)の耐震補強などの実施に備え、倉庫周辺を仮設の建物で囲う作業などを実施中だ。施工は、竹中工務店・タルヤ建設JVが担当。日本の近代化を支えた遺構を後世に残すため、受発注者が、現代の最新技術を駆使し、作業に汗を流している。現地で進んでいるのは「平成26・27・28年度 重要文化財旧富岡製糸場西置繭所保存修理(仮設・解体)工事」。同製糸場の世界遺産登録後、保全工事の初弾として、同市が発注した。工費は約4億5100万円。工期は1月21日から16年9月30日まで。竹中工務店JVの石塚正一作業所長は、「日本の発展の礎になった施設の保全工事を手掛けるのは大変な名誉。公衆災害の防止徹底はもちろん、多くの観光客に見られても恥ずかしくない現場運営に努めている」と話す。
 敷地内には、南側に綿糸場、西、東の両側に木骨れんが造2階建ての繭貯蔵庫が1棟ずつある。このうち、西側にある西置繭所(建築面積1487平方メートル)の古い瓦や建具などが風雨で傷まないよう、軽量システムトラス造の柱と屋根などで構成する仮設物(素屋根)をかぶせることなどが同工事の目的だ。同工事の完工後、本格的な修理や耐震補強の工事が実施されることになる。素屋根は、全長120メートル、幅22メートル、高さ19メートルの規模。組み立てた素屋根を油圧式のウインチとレールを使って徐々に横にスライドさせ、対象物にかぶせていく工法(トラベリング工法)を活用して進んでいる。素屋根の総重量は300トン程度。安全のため、素屋根の組み立ては、三つの長さに分割して行い、一度にけん引する最大の重量を100トン程度に抑えている。
 石塚作業所長によると、素屋根のスライド作業は17日にも完了する。その後、西置繭所の外観を転写した特殊なシートを建物に張る作業を行うという。素屋根で隠れてしまう西置繭所の本来の姿を観光客が少しでも思い浮かべられるようにするための工夫の一つだ。同工事では、現施設に使用されている部材の種類や、損傷の程度などを調査する作業も併せて進んでいる。「別途発注される西置繭所の耐震補強工事の準備の一環となる重要な作業だ」と石塚作業所長。市によると、同製糸場の保全・修理は今後30年かけて実施される。西置繭所の耐震補強や修理は16年に着工し、20年に完工する見通しだ。素屋根は最終的に解体される。

群馬県富岡市/富岡製糸場保全・修理始まる/施工は竹中工務店JV

《日刊建設工業新聞》

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