「食の景勝地」で農村への訪日客誘致、農水省が検討 画像 「食の景勝地」で農村への訪日客誘致、農水省が検討

インバウンド・地域活性

 地域の食とそれを育む景観などを一体的に「食と農の景勝地(仮称)」として訪日観光客にPRし、農村に呼び込む仕組み作りに向け、農水省は9日、有識者会議の初会合を開いた。訪日外国人観光客による食関連の消費額は現在年間6000億円程度。同省は2020年には1兆円近くに増えると期待し、輸出と並ぶ需要開拓の大きな取り組みにしたい考え。年度内には「景勝地」の仕組み全体や認定に必要な要件を取りまとめる方針だ。

「景勝地」は食や食文化を核に、それらとつながりの深い景観や歴史などの観光資源を結び付け、外国人観光客に地域の魅力をアピールする仕組み。来年度にも始める。「ここでしか味わえない」本場感をアピールし、外国人観光客を農村に引き込む狙いだ。

 有識者会議は食や観光、広報の専門家で構成し、「景勝地」ブランド全体の水準や情報発信の在り方に加え、地理的範囲など個別の認定要件などを整理する。委員長を務める寺島実郎・日本総合研究所理事長は「付加価値の高い観光を実現するには、リピーターを引きつける力が問われている。日本の魅力で重要な要素は食だ」と語った。

 有識者からは、地理的表示(GI)保護産品を核に仕組みづくりを進めるべきだとの意見や、外国人への情報発信の仕方など課題を指摘する声が上がった。日本食の「本場」感を味わってもらうために食べる場所を重視することが大事だとの意見や、「日本食のファンになってもらうことまで見据えた説明力が必要」といった意見もあった。

 14年の訪日外国人観光客は1300万人超と過去最多で、今年はそれを上回る勢いで推移。旅行消費額2兆円のうち食関連は約6000億円に上る。こうした外国人観光客の旺盛な日本食の需要を取り込み、農村の活性化と農家所得の向上につなげることが課題だ。政府は20年に訪日外国人観光客2000万人を目指しており、それが実現すれば食関係の消費も1兆円近くに達するとの期待もある。帰国後に日本産品を好むようになれば、輸出拡大にもつながる。

 林芳正農相は「地域にもともとあるものを生かし、どう付加価値を高めて地方創生につなげていくかが大事だ」と期待を寄せた。次回会合は11月中下旬をめどに開く予定。

農村に訪日客呼び込め 「食の景勝地」検討開始 農水省有識者会議

《日本農業新聞「e農net」》

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