【中小企業の『経営論』】第12回:「扉を開けている」だけでは部下はやってこない
マネジメント
「うちの部下は自分から提案してこない」
「会議で積極的に発言する者がほとんどいない」
実はこういう話は、様々な企業の社長や管理職の方々から、かなりたくさんうかがいます。
「俺たちの頃はもっといろいろ上司に意見を言っていた!」
「自分たちはもっと積極的に発言していた」
こういったことをおっしゃいますが、こればかりは実際にどうだったのかわかりません。ただ、こんなことがあった、あんなことがあったという話を聞いていると、確かにそう言いたくなる気持ちはわからなくもありません。
こんな時、私がいつも思い出すのは、ある中堅IT企業の社長のお話です。
年令は40代後半、とても穏やかな印象の社長で、相手が誰でも話をきちんと聴く、常にオープンでウエルカムなスタンスの方でした。部下からの話はいつでも聴けるようにと言って、来客の時以外はいつも社長室の扉を開けていて、社員たちには「何かあったらいつでも来なさい」と常々おっしゃっていました。
ただ、この社長にお話をうかがうと、ちょっと曇った顔で「特に現場の一般社員や若手社員が話に来ることはほとんどない」「ホントはもっと現場の話が聞きたいんだけど・・・」などとおっしゃいます。
ここで冷静に考えてみれば、実際の話、若い社員たちが社長室にいろいろ話をしに行くかといえば、よほど気楽な間柄でもない限り、そんなことはありません。部下からすれば、社長室はやはり敷居が高いですし、相手が社長となれば、気軽に何でも話す関係というわけにはなかなかいかないでしょう。
関連リンク
編集部おすすめの記事
特集
マネジメント アクセスランキング
-
【中小企業の『経営論』】第16回:研修熱心なオーナー社長の落とし穴
-
東プレ、八千代工業の国内板金プレス事業を買収…ホンダ向け事業を強化
-
「予約忘れ」も理由の8.9%――店舗を悩ませる「予約キャンセル」の調査結果発表
-
ASEAN大手外食企業との商談会……ジェトロが日本で開催、参加企業募集
-
高松市、屋島山上拠点施設基本設計の委託先にSUOを選定
-
国内向け製造業人材、アジアで育成…中小の人材確保にも期待
-
日系企業はいかに米経済に貢献しているか…自工会「Investing in America」
-
政府、PPP・PFI導入推進へ指針決定
-
“客のフリ”してあなたの会社・店舗をチェックします!
-
「ウチ、団体いけます!」――旅行代理店向けの“飲食店立候補型”団体食事予約サービス