法務省が出所者の建設業就業支援強化、雇用会社向け奨励金も 画像 法務省が出所者の建設業就業支援強化、雇用会社向け奨励金も

人材

 法務省は、年間平均2万人以上に上る刑務所出所者の建設業への就業支援策を強化する。刑期中に任意で受講できる職業訓練に期間1カ月の「短期建設技術科」を16年度に新設。刑期を終える直前まで出所後の就業希望業種を決められない受刑者が多い中、短期コースで最低限の基礎だけでも身に付けてもらい、選択肢を広げられるようにする。企業に対する出所者の雇用奨励措置も継続する。出所者の再犯防止と建設技能労働者の確保を両立させる狙いだ。出所後の就業支援策として刑務所で行われる職業訓練には約40課程があり、うちほぼ半数を建設関係が占めている。主な職種は建設躯体工や溶接工、建築塗装工など。それぞれ資格の取得を前提に期間3カ月~1年の訓練が行われている。16年度からは、この職業訓練を拡充し、建設業の職種で期間1カ月の訓練コースとして短期建設技術科を新設。特に求人倍率が高い建設躯体工(5月時点で6・29)と溶接工(同2・55)の2課程を設ける。いずれも資格を取得するまでのスキルは身に付けられないが、基礎的な作業や図面の読み取りなどを行えるようにする。刑期中に出所後の人生設計を描けないうちに職業訓練を受講するタイミングを逃した受刑者が、刑期を終える直前でも受講できるようになるのが最大のメリットになると法務省はみている。
 短期コースは、職業訓練を行っている63カ所の刑務所のうち、作業スペースや他の訓練課程との兼ね合いを考慮し、建設躯体工は4カ所(場所名は非公表)、溶接工は17カ所(同)でそれぞれ実施する。講師は原則として各刑務所に配置されている資格を持った技術系の刑務官が務めるが、他の訓練課程との兼ね合いなどで難しい場合、地元の建設業団体などから資格を持つ講師を招くことも検討する。法務省は、出所者を積極的に雇用している「協力雇用主」を支援するため、雇用1人当たり年間最大72万円の奨励金を支払う制度を15年度に導入した。この支援措置を16年度も継続する。協力雇用主は全国に約1万4500社あり、ほぼ半数が建設会社という。今年7月に始めた同省発注工事の入札で出所者の雇用実績を加点評価する取り組みの試行案件もさらに増やし、早期の本格移行を目指す。官民の建設投資の回復で建設業の担い手不足は深刻化している。女性や外国人、予備自衛官など多様な人材からの確保を急ぐ建設業にとって、出所者の雇用は新たな一手となりそうだ。

法務省/出所者の建設業就業支援強化/短期訓練コース新設、雇用会社向け奨励金も

《日刊建設工業新聞》

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