揺れ75%低減! 大林組が大阪の超高層ビルに制震装置導入 画像 揺れ75%低減! 大林組が大阪の超高層ビルに制震装置導入

マネジメント

 大林組は4日、大阪市中央区に建設を進めている高さ148メートルの超高層ビルに、長周期地震動対策として大型のチューンドマスダンパー(TMD)制震装置を導入すると発表した。縦14・6メートル、横36・3メートル、重量2000トンを超すコンクリート製の重りを屋上に設置する。一般的な超高層ビルは、構造体の変形制限を階高の100分の1として設計するのに対し、このビルでは変形制限を階高の約133分の1に抑え、揺れを約75%に低減するという。TMD制震装置は、地震などでビルが揺れた際に、屋上の重りが建物と逆方向に動いて揺れを低減する制震技術。建物質量に対する重りの質量比を大きくすることで、建物の揺れを低減する効果が高まり、幅広い周期の揺れにも対応できるとされる。
 TMDを導入するのは「(仮称)新南海会館ビル」で、S一部SRC・RC造地下2階地上31階建て延べ約8万4000平方メートルの規模。屋上に設置する重りは約2600トンで、建物質量の3%程度、1フロアの重量に相当するという。通常の重りは、支持材、復元材、減衰材を用いて建物に設置する。大きな質量を支持しながら最大でプラスマイナス2メートルの大振幅に対応できる汎用製品はなく、今回採用する装置は、中間フレームを介して2段構成で重りを支える構造にした。これにより、各制震装置に生じる変形を半分にでき、汎用製品である天然ゴム系積層ゴムとオイルダンパーの使用を可能にした。支持材に滑り支承を使い、復元材を別に組み合わせる構造が多い中、このビルでは重りの下に取り付ける積層ゴムが支持材と復元材を兼用し、コストの低減を図ったのも特徴だ。重りを分割することで、TMDの設置面積を変えることが可能。配置スペースに制約のある既存の超高層ビルにも設置できる。
 同ビルは1日に着工した。建設地は大阪市中央区難波5の1の60。事務所や店舗、ホール、医療施設などが入る。設計は大林組、施工は大林組・竹中工務店・南海辰村建設JVが担当し、18年9月の完成を予定している。発生が懸念される南海トラフ地震では、東京、大阪、名古屋など特に大都市圏で長周期地震動が発生する可能性が高いとされる。超高層ビルや免震ビルなど、ゆっくりと揺れる固有周期が長い建物ほど、大きく揺れて被害が拡大すると指摘されており、入居する企業のBCP(事業継続計画)の観点からも対策が求められている。

大林組/大阪市内の超高層ビルに大型TMD制震装置導入/揺れ75%に低減

《日刊建設工業新聞》

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