大成建設、生物多様性保全・創出に成果……16日にシンポ 画像 大成建設、生物多様性保全・創出に成果……16日にシンポ

インバウンド・地域活性

 生物多様性の保全・創出に向けた取り組みを続ける大成建設。地域に適した豊かな環境を創造する計画手法を活用したプロジェクトが増える中、施設計画時から長期にわたる動植物のモニタリング調査で、施設建設前に比べ多くの生き物が生息していることを確認した。こうした成果を生物多様性の簡便評価ツールの開発・改良に役立てている。16日には札幌市内で開かれる生物多様性民間参画シンポジウム(主催・環境省)で同社の環境活動や実践例を広く発信する。
 同社は1990年代前半から環境分野の取り組みに本格着手。生態系の保全に長年取り組み「環境の大成」の姿勢を、「生物多様性」という切り口で社会に分かりやすく伝えるため、2010年9月には「生物多様性宣言」を制定した。生態系保全の成果として、地域に適した豊かな環境を創造する計画・実現手法「エコロジカルプランニング」を開発・実用化している。施設や建物の計画地を「水・緑・風・人の四つの視点」と「広域・中域・狭域の三つのスケール」で分析。地域の関係性を読み解き、その地域に最適で豊かな環境づくりを計画・実現する技術だ。地域に適した環境を客観的に計画することで、豊かな環境創造が可能となり、プロジェクトを総合的に展開することができる。
 同社はこれまで「札幌ドーム」や「大手町の森」「長谷川香料総合研究所ビオトープ」「ノリタケの森」「富士山南陵工業団地」など数多くのプロジェクトにエコロジカルプランニングを活用してきた。中でも札幌ドームでは、建設の計画当初からエコロジカルプランニングを用い、多様な生物の生息する環境を創造するための条件を提供するだけでなく、施設計画時から現在まで動植物のモニタリング調査を継続している。
 具体的には、鳥、チョウ、トンボなどの種数を指標にした調査を実施。鳥では計画時(97年)23種で、竣工時(01年)18種に減ったものの、竣工後3年(03年)29種、竣工後10年(10年)36種と種数が年々増加。チョウやトンボも同様に施設建設前に比べて多く生息していることを確認している。16日のシンポジウムで竣工後15年(15年)の調査結果の速報値を公表する。長期モニタリングの検証結果は、エコロジカルプランニングに用いる手法や指標などの妥当性の裏付けにもつながる。こうした成果は、生物多様性を簡便に評価するツールの開発・実用化に結び付き、現在も最新の調査・検証結果などを反映させて精度向上や機能強化を進めている。
 同社の札幌ドームでの取り組みは、環境省が3月に発行した生物多様性に関する民間団体・企業の先駆的な取り組みをまとめた事例集に掲載された。さらに同社のエコロジカルプランニングと、札幌ドームの「札幌ドームECO MOTION」が3月、「国連生物多様性の10年日本委員会認定連携事業」に認定された。札幌ドームを活動の場に両社が協働。環境教育や調査で具体的な成果を出し、環境に対する理解促進に向け意欲的に取り組む事業として高い評価を得た。16日に札幌市中央区の札幌国際ビルで行われるシンポジウムでは、同社環境本部環境計画部生物多様性・アセスメント室の埴田直子室長が札幌ドームでの長期的な取り組みを中心に講演。パネルディスカッションにも参加し、建設業が取り組む環境活動や実践例を広く発信する。

大成建設/生物多様性保全・創出活動実る/9月16日にシンポ、実践例発信

《日刊建設工業新聞》

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