新日鉄住金の仮設土留め材、シンガポールの地下鉄工事で採用 画像 新日鉄住金の仮設土留め材、シンガポールの地下鉄工事で採用

海外進出

 新日鉄住金のH形鋼にハット形鋼矢板を溶接した土留め材が、シンガポールの地下鉄駅舎建設工事の仮設土留め壁に初採用された。納入数量は約2000トン。現地で主に使われている土留め材より鋼材総重量を抑えられるのに加え、打設回数を大幅に削減できるのが特徴。新日鉄住金は、今回の採用を契機に、シンガポールを中心とした東南アジアで仮設土留め材の納入実績を積み上げていく考えだ。
 採用されたのは、H形鋼の片側フランジにハット形鋼矢板を溶接した「ハット形鋼矢板+H形鋼工法(ハット+H工法)」。主に、海外の河川護岸工事や港湾岸壁工事の際に本設構造物として、過去5年間で3万トンの採用実績を持つ。事業領域拡大の一環で仮設土留め壁としての営業展開を進める中、今回初めて採用された。
 シンガポールでは、土留め材としてU形鋼矢板とH形鋼を溶接せずに重ね合わせる「ソルジャーパイル工法」が一般的に使われている。ハット+H工法は、二つの鋼材を溶接で一体化しているため、擁壁としての安定感が向上する。ソルジャーパイル工法のU形鋼矢板の幅が400ミリなのに対し、ハット+H工法は1枚当たり900ミリと、より効率的に土留め壁を構築することができる。同社の試算では、鋼材総重量を30~50%削減することが可能という。
 事前に溶接した上で打設するため、ソルジャーパイル工法と比較して打設回数を大幅に削減することができ、工期短縮にもつながる。溶接にも特殊工法は不要なため、現地作業員でも容易に溶接できるのも特徴だ。採用された工事は、シンガポール陸上交通庁発注の地下鉄トムソン線建設プロジェクトのうち、ガーデンズバイザベイ駅舎建設工事の仮設土留め壁。施工は西松建設・バッシーソレタンシュシンガポールJVが担当している。
 ハット+H工法は、溶接工による溶接作業を要するため、東南アジアと比較して労務コストの高い日本や欧米で普及する可能性は低いという。そのため今後はシンガポールを中心に、地下鉄工事やその他地下構造物の整備が計画されている国・地域を中心に積極的に営業展開していく方針。営業は、シンガポールにある現地法人のニッポン・スチール&スミトモ・メタルサウスイーストアジア社が行う。

新日鉄住金/仮設土留め材が初採用/H形鋼にハット形鋼矢板を溶接

《日刊建設工業新聞》

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