省スペース型制震構造……エレベーターシャフトに制震ダンパー集中、戸田建設が実用化 画像 省スペース型制震構造……エレベーターシャフトに制震ダンパー集中、戸田建設が実用化

インバウンド・地域活性

 戸田建設は2日、東京都立川市に建設を進めている複合ビルに新しい制震構造を導入したと発表した。従来の制震構造では本体構造の柱と大梁に囲まれたスペースに配置する制震ダンパーを、エレベーターシャフトに集中的に配置する。平面計画への影響をなくし、各フロアの自由度を高めることができる。多様な用途が混在する建物に有効な制震構造システムとして積極的に採用を提案していく。
 建設中のビル「壽屋本社ビル」(立川市緑町4)は、総延べ4・6万平方メートルとなる施設5棟を整備する開発プロジェクト(全体完成は16年12月を予定)の一環。S造6階建て延べ6108平方メートルの規模で、戸田建設が設計・監理、施工を担当している。ビルには、本社機能に加えて店舗やイベントスペースなどを設け、各階で平面プランが異なる。建設地の近くには立川断層があり、BCP(事業継続計画)の観点からも大地震に対応できるように制震構造を採用した。
 制震ダンパーは、本体構造の柱と大梁に囲まれた部分に設置するのが一般的。各階同じような配置にする必要があるため、階によって平面プランが異なる複合用途の建物に適用するのは難しいとされる。このため、今回のビルでは本体構造とは別に、エレベーターシャフト内に「制震フレーム」と呼ぶ制震ダンパー専用のフレームを設置。ここにオイルダンパーを集中配置した。これにより、柱と大梁に囲まれるスペースに制震装置を配置しなくて済み、平面計画の自由度を維持しながら制震構造を実現した。
 このビルは、エレベーターシャフトが平面的に偏った位置にあったが、間柱型の制震ダンパーと組み合わせることで、ねじれ挙動の少ないバランスの良い建物挙動となるように調整している。実施設計段階のシミュレーション解析の結果、制震ダンパーのない耐震構造にした場合と比べ、地震時の揺れを30%程度低減。本体構造の安全性だけでなく、外壁の止水性や内装被害など非構造材の損傷まで制御できることを確認している。

戸田建設/省スペース型制震構造を実用化/エレベーターシャフトに制震ダンパー集中

《日刊建設工業新聞》

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