公共工事量の月別格差、是正めざす……人材遊休化など改善へ 画像 公共工事量の月別格差、是正めざす……人材遊休化など改善へ

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 国土交通省は、月別の公共工事量の格差を、現状の約2倍から、民間工事並みの約1・3倍へと縮める目標を新たに掲げる方針だ。工事量が年度下半期に集中することや、月ごとの偏りが激しいことで、労働災害が年度後半に増えたり、閑散期に技術者・技能者が遊休化したりする現状を改めるのが狙い。目標を達成するため、債務負担行為を積極活用。3月末に集中する工期を柔軟に設定するなど、施工時期の平準化に向けた取り組みに力を入れる。
 土木研究所が2日に東京都内で開いた講演会で、同省の池田豊人官房技術審議官が明らかにした。池田氏は、施工時期の平準化を含めた生産性向上策を推進することで、「人口減少が避けられない中でも、少ない人数で施工できる体制を整えられるようにしたい」と強調した。月ごとの工事量の格差を民間工事並みに縮める目標の達成に向けて、柔軟な国債・翌債の活用・運用に加え、契約後の余裕期間設定などによる工事着手時期の柔軟な運用、さらに、工期の標準化、全体工期に影響する工程(クリティカルパス)を受発注者間で共有する取り組みなど計画的な事業の進ちょく管理を行う。
 公共工事は、年度初めの4~6月に工事量が少なく、10月から翌年の3月までの下半期に集中する傾向が強い。月ごとの工事量の最大値と最小値の差が約2倍となり、偏りも激しいことにより、下半期には工事現場で死亡事故が多く発生。閑散期に技術者・技能者が遊休化する要因にもなっている。こうした建設業特有の労働環境が若手の入職や定着を妨げる一因との指摘もある。講演で池田氏は「単年度予算主義で3月末工期が当たり前という現状を改めれば、人材の遊休化が解消され、1人当たりの売上高を増やすことにもつながる」と訴えた。
 生産性向上策として国交省は、施工時期の平準化に加え、直轄事業で全工種の人工の約4割を占める「土工・舗装関連工種」と「現場打ちコンクリート」の効率化を図る。具体策として、現場でのコンクリート施工の効率化を図り、作業の工夫で工程を短縮。プレキャスト製品の積極活用で現場作業自体を減らし、安全性も高める。建設機械の自動制御や運転支援を行う情報化施工も積極活用する。施工の目安となる丁張りを現場に設置する手間がなくなるなど、作業時間をこれまでの半分に減らす効果が期待できるとみている。国交省の直轄工事では、指定発注や工事成績での加点措置を取り入れていることで情報化施工の導入現場は年々増加している。

国交省/公共工事量の月別格差を民間並みに/事故防止・人材の遊休化改善狙い

《日刊建設工業新聞》

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