生ごみと野菜を交換…「やさいクル」事業 山形市 画像 生ごみと野菜を交換…「やさいクル」事業 山形市

インバウンド・地域活性

 家庭の生ごみを乾燥させて直売所の野菜と交換する山形市の「やさいクル」事業から、加工品が次々と生まれている。集めた乾燥生ごみは堆肥として畑に戻し、トウガラシなどを作る。それを原料にして「ゆずこしょう」「ゆずこしょうドレッシング」などの加工品が生まれ、市内直売所に並ぶという仕組みだ。生ごみを資源として有効に活用する、循環の輪が少しずつ広がっている。
・堆肥化しトウガラシ栽培

 事業は2012年にスタート。電気乾燥式生ごみ処理機で乾燥させた生ごみを、JAやまがたの「おいしさ直売所」3店などに持ち込めば1キロにつき1ポイントがもらえ、5ポイントで500円相当の野菜や加工品と交換できる。

 集まった乾燥生ごみは、知的障害を持つ人の就労を支援する特定非営利活動法人(NPO法人)山形自立支援創造事業舎が回収。土と混ぜて2週間ほど寝かせた後、3農場の堆肥に活用し、各種野菜を作る。

・「ゆずこしょう」やドレッシング誕生 人気に

 メーンはトウガラシで、これまでに大分県産ユズと合わせた「ゆずこしょう 赤・青」(年間8000本生産)、「ゆずこしょう蔵王プレミアム」(同500本)を製品化した。今年は県産ユズを調達する道が開け、県内産を主原料とした商品を88本製造、来年は3000本を生産する。商品は直売所の他、山形名物「玉こん」を移動販売する同法人の「みちのく屋台」でも販売する。

 人気は上々だ。市内のレストランシェフ監修で製造した「ゆずこしょうドレッシング」は完売した。今後、ゆずこしょうを使ったラスクやギョーザ、さらにニンニクを使ったガーリックオイル、焼き肉のたれを開発する計画だ。

 加工に向かない野菜はリヤカーで引き売りする。同法人の齋藤淳代表は「市民に生ごみの減量を楽しんでもらうため、加工品の数を増やし、使い方もアピールしたい。じわじわと“やさいクルブランド”を定着させたい」と意気込む。

 生ごみ利用を促すため、市も3万円を上限に乾燥機購入を支援する。既に約2000機が普及し、回収した生ごみは12年の月平均71キロから、14年には138キロに増えた。今年も「前年を上回る」(同市ごみ減量推進課)見込みだ。

 JA直売所も、乾燥生ごみを収納するボックスを設置する。「おいしさ直売所 紅の蔵店」の斎藤恭宏店長は「乾燥生ごみを持ち込むことで店の常連になってくれる。ここから地産地消の循環が広がるのを期待したい」と官民挙げて資源の有効活用を後押しする。(辻公三)

地域循環で加工品次々と 乾燥生ごみ ⇔ 直売所野菜 山形市の事業「やさいクル」

《日本農業新聞「e農net」》

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