農水省、「多面的機能支払交付金」要求額を30億円増 画像 農水省、「多面的機能支払交付金」要求額を30億円増

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 農水省は2016年度予算の概算要求で、農用地や水路などの地域資源の保全を支援する「多面的機能支払交付金」の要求額を513億円と、15年度当初より30億円増額した。高齢化が進む農村の基盤維持を支える政策で、予算充実を求める現場の声に応えた。同省は農政改革で、同交付金をはじめとする地域政策を重要な柱に位置付け、強い農業を実現するための産業政策と“車の両輪”で進める。同交付金の予算を満額確保し、地域農業の活性化を目指す。
 同省は、13年度まで実施していた農地・水保全管理支払交付金に代わり、14年度から多面的機能支払交付金を設けた。農地ののり面の草刈りや水路の泥上げなどを支援する「農地維持支払い」と、施設の軽微な補修や長寿命化を支援する「資源向上支払い」の二本立てで、地域の活動を後押しする。

 事業がスタートした14年度の実績は、前制度に比べて大幅に増えた。同交付金の土台部分となる農地維持支払いは、取り組み面積は33%増の196万1681ヘクタール、支援の対象組織数は31%増の2万4885だった。

 各地での取り組みが増えた要因の一つは、農地維持支払いでは農業者だけの組織を支援対象に加えたことだ。地域住民の参加を必須要件から外したことで取り組みやすくなり、同交付金のニーズが高まっている。15年度当初予算は、前年度と同額の483億円を確保したものの「現場の要望が大きく、予算額を上回っている」(農地資源課)という。

 要望の高まりを踏まえて、16年度の同交付金の概算要求額は、30億円増の513億円とした。より多くの組織が支援を受けられるようにする考えだ。

 今年4月に「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」が施行され、市町村による事業計画の認定が必要となったことから、通常は6月末としている申請期限を、自治体の予算確保の状況などを踏まえて最長で10月末まで受け付ける。

 農水省は、同交付金で地域を挙げた農地や水路の維持管理を支援することで、担い手が営農に集中しやすい環境がつくれるとみている。「農地集積や集落営農の法人化などにつながり、地域農業の活性化が期待できる」(同)と、産業政策の視点からも意義を強調する。

多面的機能支払い30億円増 「強い農業」と両輪 農水省概算要求

《日本農業新聞「e農net」》

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