竹中工務店、プレミアムセイフティビル提案推進 画像 竹中工務店、プレミアムセイフティビル提案推進

マネジメント

 竹中工務店が最高水準の安全性、安心感、快適性を備えた建築コンセプト「プレミアムセイフティビル」の提案活動を進めている。都市部に建てる複合用途の施設を対象に、最先端技術を数多く採用。高い安全性を提供するだけでなく、ここで過ごす時間の中に揺るぎない安心感と、都市の中で得がたい快適な空間が共存する建築を提案する。「一歩先を行く提案」(遠山幸太郎技術本部技術企画部部長)として、国家戦略特別区域(国家戦略特区)での採用などを想定している。

 日本の都市は、世界の主要都市の中で総合的に高い評価を受ける一方、自然災害のリスクについての懸念が大きい。そこで同社は、日本の「都市力」を向上させ、世界での存在感を高めるための建築コンセプトをまとめた。容積率や土地利用の規制が緩和される国家戦略特区での建設を想定し、低層部にオフィス、高層部に集合住宅やホテルなどで構成する複合建築をイメージ。高さは約60メートル。柱と梁が鉄骨で、床スラブと耐震壁が鉄筋コンクリートとしている。コンセプトの柱は、▽安全(あらゆる災害に備える)▽安心(日々の心配から開放する)▽快適(ここにしかない心地よさを提供する)―の三つ。これらを最先端の技術によって高い水準で実現する。最高水準の安全を提供するため、地震や災害、水害への対策に加え、ハード・ソフト両面で安全をサポートする防災・減災機能を完備する。具体的には、免震層を基礎部と中間階に設ける「ダブル免震」を導入する。免震装置の変形に余裕が生まれるだけでなく、建物形状が中間階で切り替わるビルの高層部分に生じる大きな揺れ(むち振り現象)を抑制。最上階の加速度が通常の免震構造と比べて半分以下に低減するという。地震時に構造体や仕上げ材の損傷を最小化し、家具の転倒被害も軽減する。

 火災時に歩行困難者を避難誘導するため、一時避難エリアを設置し、非常用エレベーターを利用して避難する計画を採用。火災時の垂直避難は階段利用が一般的となっているが、歩行困難者を非常用エレベーターを利用して垂直避難させる。事業継続に欠かせない情報を提供する「事業継続計画(BCP)被害推定システム(TRAIN―BCP)」や津波シミュレーション、耐震性能リアルタイムモニタリングなど、地震や火災、水害に強い構造体を実現する技術を数多く盛り込んだ。さらにコンシェルジュによる避難補助など人的サポートや、非常時のインフラ設備を備える。従来の高級マンションやオフィスを大幅に上回る安心感・快適性を提供する。高層階の集合住宅は、デッキの外側にもう一段デッキを張り出させる「ダブルデッキ」によって眺望が広がり、居住者の心理的な安心感が増すという。

 張り出したデッキは、日射遮へいの効果だけでなく、デッキに備えた微細ミストによる蒸発冷却の効果も発揮する。ビル中央部を貫く「マルチエコボイド」は、自然の光や風を建物内に誘引するとともに、火災時には煙突効果によって排煙する多機能な空間となる。構造体には極小断面の鉄骨柱を採用し、実有効面積を広げる。透明性の高い外観や明るい執務スペースに加え、有効率が高く、形の整った平面計画が実現できる。都市犯罪データに基づく防犯管理計画や、最新設備によるセキュリティー強化などで堅固な防犯性を確保。医療機関と連携した健康管理サポートなど安心、快適に関するさまざまな技術・サービスも取り入れる。遠山部長は「防災に対する当社の考えをコンセプトとしてまとめた。実物件には採用されていない技術もあるが、技術的な検証を終えたものを提案しており、実現の見通しは立っている。個々の技術も安全性や快適性を高める技術として提案していきたい」と話している。

竹中工務店/プレミアムセイフティビル提案推進/最高水準の安全・安心提供

《日刊建設工業新聞》

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