新国立競技場は開閉式屋根見送り、1600億円以下も……設計・施工者公募条件まとまる 画像 新国立競技場は開閉式屋根見送り、1600億円以下も……設計・施工者公募条件まとまる

インバウンド・地域活性

 2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の整備に向け、設計・施工を行う事業者の選定手続きが動きだす。日本スポーツ振興センター(JSC)の技術提案等審査委員会(村上周三委員長)は26日に開いた3回目の会合で、公募型プロポーザル方式による選定手続きで用いる業務要求水準書や技術提案書の作成要領、審査基準などの最終案をまとめた。28日にも政府が開く関係閣僚会議で建設費の上限額などを盛り込んだ新たな整備計画が決定されるのを受け、9月初旬に公募手続きに入る。
 同委員会の村上委員長は26日の会合後の会見で「(最終案は)妥当なものができ、提案者のインセンティブを刺激するような審査・評価を行う」と説明。工期短縮やコスト削減などの重要課題についても「なるべくいい提案を求める中で、そういうことは当然ながら期待されている」と述べ、審査過程で工期・コストに関する事業者側の優れた提案を重視する考えを示した。総工費の上限について、政府内では1640億円とすることで調整。コストを抑えるため、観客席に設置予定の冷暖房設備を外した場合、上限額が1600億円を切る可能性もある。
 新たな整備計画の「基本的考え方」では、開閉式屋根の設置を見送り、屋根は観客席の上部だけにするほか、用途についても原則としてスポーツ競技に限定。総工費を抑制するため、施設の仕様や機能が過剰にならないように求める。村上委員長は、公募要領の最終案について「現時点で最も有力とされる(総工費などの)数値に基づいてまとめた」と強調。整備計画の決定時点で最終案に大きな変更が加わることは考えにくいことから、9月上旬の公募手続きは予定通りに進む見通しだ。
 関係閣僚会議で示された公募型プロポーザル方式(設計交渉・施工タイプ)による発注手続きのスケジュールでは、9月からの入札契約手続きに5カ月かけて事業者を選定し、16年1月をめどに基本・実施設計(履行期間11カ月)に入る。同12月をめどに工事(工期40カ月)に着手し、20年4月ごろの完成を見込む。
 完成時期について、国際オリンピック委員会(IOC)側が20年1月までの前倒しを求めており、今回の発注手続きでは3カ月の前倒しを実現できる技術提案を行えるかが評価結果を大きく左右することになりそうだ。工期短縮や建設コストの削減に加え、維持管理コストの低減も求められる予定。五輪後の施設運営を民間に委託する方向で今後検討されることから、民間事業として収益を上げられやすいハード整備のあり方についても、評価のポイントになりそうだ。

新国立競技場/設計・施工者公募条件まとまる/インセンティブで提案引き出す

《日刊建設工業新聞》

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