入札不調、東日本大震災以前の水準まで回復 国交省工事 画像 入札不調、東日本大震災以前の水準まで回復 国交省工事

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 11年3月の東日本大震災以降、頻発していた公共工事の入札不調が沈静化してきた。国土交通省が14年度に実施した直轄工事で発生した入札不調の割合は11・4%と、前年度より6・0ポイント減少し、不調発生率は震災発生前の08、09年度と同水準になった。15年度に入ってからも低下傾向が続いているもようだ。直轄工事と比べもともと低かった都道府県発注工事の不調発生率も14年度に低下。震災の被災地でも同様の動きを見せている。入札不調が沈静化してきた背景には、一連の不調・不落の対策が奏功したことに加え、業界の受注余力が回復してきたこともあるようだ。
 国交省は円滑な施工確保対策として、公共工事設計労務単価の引き上げや積算基準の見直しなどを実施。設計労務単価は13年度に2度(13年4月、14年2月)にわたって大幅に引き上げており、これが予定価格の上昇に寄与したとみられる。14年度の土木工事積算基準の改定では、入札不調が条件の悪い小規模な維持修繕工事などを中心に発生していたことから維持管理修繕工事などの標準歩掛かりの新設・見直しを実施。間接工事費率の見直しでは小規模施工用の間接工事費率を設定した。
 国交省のまとめによると、直轄工事の不調発生率は13年度に17・4%まで上昇したが、14年度の発生率は08年度の12・0%、09年度の10・4%と同水準まで低下。さらに、15年度当初から直近までに直轄土木工事の入札で発生した不調・不落の割合は前年の同じ時期を下回っており、低下傾向が続いている。1桁で推移していた都道府県発注工事の不調発生率も6・8%で前年度から0・8ポイント低下しており、改善傾向にある。不調になった場合も、再発注時にはロットの大型化や予定価格の見直しでほぼ契約に至っている状況だ。
 震災の被災地は地域差が大きいが、被災3県(岩手、宮城、福島)と仙台市を対象に国交省が算出した不調発生率は20・2%と前年度から1・5ポイント下がり、震災発生後としては初めて低下に転じた。岩手県は13年9月の内陸豪雨災害の復旧工事、福島県は復興事業がピークを迎えている影響で横ばいだったものの、宮城県の一般競争入札での不調発生率は、14年度は21・1%(県発表)と、前年度に比べ4・3ポイント下がった。
 国交省は、被災3県に特化した積算基準の見直しも行い、復興係数による間接工事費の割り増しや土工とコンクリート工の復興歩掛かりも設定するなど施工実態を反映した予定価格に改めてきた。被災地の公共建築工事を確実に実施するため、昨年9月からは見積もり活用などの「営繕積算方式」の普及に乗りだし、公共建築相談窓口で個別工事の準備段階から相談に応じている。国交省は今年に入ってから、2月に3回目となる設計労務単価の引き上げを行い、15年度の土木工事積算基準改定では一般管理費等率を引き上げた。1月からは営繕積算方式の全国展開にも取り組んでおり、今後こうした施策の効果も出てくるとみられる。

入札不調が沈静化傾向/14年度発生率、国交省6・0ポイント減/被災地も低下

《日刊建設工業新聞》

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