物流デベロッパー・トップの視点(4):野村不動産・山田譲二物流事業部長、高機能型施設にこだわり 画像 物流デベロッパー・トップの視点(4):野村不動産・山田譲二物流事業部長、高機能型施設にこだわり

マネジメント

 総合デベロッパーとしては比較的早い2005年に物流施設事業に参入した野村不動産。08年のリーマンショック後に一時、開発ペースを落としたが、ここ数年は積極的な開発投資を続けている。山田譲二物流施設事業部長は「物流は人々の生活になくてはならないインフラの一つ。場所が良ければ安定したニーズがあり、永続的に事業が成り立つと考えている」と今後の継続的な投資に前向きだ。

 --物流施設事業に参入した経緯は。

 「05年の参入当初は、野村不動産投資顧問を事業主体に、投資家から資金調達する手法で開発を進めていた。当時の日本には、高機能型の物流施設が不足しているという状況があり、投資家の間で市場拡大への期待があった。ただ、リーマンショックの影響で資金調達が一時的に滞った」
 「13年に野村不動産に物流施設事業部を立ち上げ、自己資金で開発することにした。同時に(不動産投資信託=リートの)野村不動産マスターファンド投資法人も設立した。物流施設事業は、賃貸資産を拡大しようという会社の中長期的な方針に合致する。新規事業だが、しっかりノウハウを蓄積して取り組んでいく」

 --今後の事業戦略をどう描く。

 「事業の再スタート以降、開発エリアを拡大しながら、新規物件への投資を徐々に増やしている。現時点では年間300億~400億円の投資規模を想定している。首都圏が主体だが、初の開発計画に着手した関西圏、中部圏も拡充する。現在、九州圏で初めての開発用地を確保し、テナント需要を見ながら開発時期を検討している」
 「今後は重点エリアにどういったタイプの物件を押さえていくかがポイントになる。同じエリア内にさまざまなタイプの物件を保有し、多様なテナントニーズに対応することも必要だ。2物件目を計画している東京・八王子では、建物構造(免震装置の有無)が異なる施設を用意する。千葉県柏市沼南で開発中の二つの物件は、それぞれ違った施設コンセプトや賃料帯を設定し、ターゲットの客層を変えている」

 --施設ブランドの「Landport(ランドポート)」の特徴は。

 「テナントがメリットを見いだせるような高機能型の施設を目指している。こだわりは50年間使用できる施設をつくること。長期的にテナントの入れ替えを想定し、基本スペックの高い施設に仕上げる」
 「開発からリーシング、運営までを一貫して行い、その一連の流れを改善していくことが大切だ。特に、荷主向けの物流ソリューションに注力している。トラックの運送費が上昇するなど物流コストの低減が難しい状況の中で、物流の効率化・合理化のためにどういった提案ができるか。野村総合研究所とタイアップし、荷主向けの講演会などを開いている。社内のオフィスビルや商業施設の事業部署とは連携を深めている。顧客層が似通っているため、特に営業面で連携効果を出していきたい」。
《日刊建設工業新聞》

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