産休・育休、男女別トイレ設置……女性活躍へむけ建設業界の意識変革進む 画像 産休・育休、男女別トイレ設置……女性活躍へむけ建設業界の意識変革進む

人材

 女性技術者・技能者の数を5年で倍増させる目標を掲げた国土交通省の「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」。14年8月22日の策定から1年が経過し、直轄工事で女性技術者の登用を促すモデル工事が15年度も行われているほか、トイレや更衣室の設置など現場環境改善の取り組みも拡大している。地域ぐるみでの女性活躍の促進など計画に掲げた施策が着実に進展し、女性の採用数増加という形で成果も出始めた。今後は女性の活躍をいかに定着させていくかが問われる。総務省の労働力調査によると、建設業で働く女性は12年時点で技術者が約1万人、技能者が約9万人の計約10万人だった。行動計画は、これを5年で倍にするという高い目標を掲げた。具体策として、国交省が直轄工事で取り組む女性技術者の登用を促すモデル工事は、14年度に12件、15年度も8月初旬までに9件が公告された。女性技術者の配置を入札参加資格要件とする際、技術者の過去の工事実績を評価する期間から産休・育休取得期間を控除するなど、女性が活躍する機会の創出に配慮している。
 女性が現場で働きやすくするための環境整備では、男女別のトイレや更衣室を設置する場合にかかった費用を実費精算する取り組みを拡大。レンタル市場の形成につなげるほか、今後の積算基準の検討にも役立てる。15年度予算で創設した「『もっと女性が活躍できる建設業』地域協働推進事業」では、女性の活躍に取り組む企業、団体、地方自治体などが参画する地域ネットワーク12件を選定して、支援に乗りだした。そのほか、女性向けの情報ポータルサイト「建設業で働く女性がカッコイイ」を通じた一元的な情報発信、9月に建て替え工事が始まる富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)での女性用宿泊施設の確保など、教育訓練のための環境も充実させる。優秀施工者国土交通大臣表彰(建設マスター)に女性枠を設け、14年度は5人を顕彰した。業界側でも、日本建設業連合会(日建連)が女性の活躍をアピールする「なでしこ工事チーム」の登録を開始。建設業で働く女性の愛称として決定した「けんせつ小町」の名を冠した現場環境マニュアルも策定した。全国建設業協会(全建)も、女性の活躍の場の拡大に向けたロードマップを作り、取り組みを推進している。
 こうした活動の成果で、日建連の主要会員企業では15年度、女性の技術系社員の採用人数が前年度に比べて4割増に。6~7月に行われた1級施工管理技術検定の学科試験では、合格者に占める女性の割合が上昇した。労働力調査の推移から、女性技術者の数がじわじわと伸びている状況も見て取れる。行動計画に基づく活動を継続させるために国交省は、女性が働きやすい現場環境の実践事例や改善ポイントを紹介する「建設業女性活躍ケースブック」を作成中だ。別途、今後の実態調査で、女性が働く上での課題を抽出し、解決策の検討につなげる。国交省の北村知久土地・建設産業局建設業課長は「行動計画の策定から1年がたち、業界全体で女性活躍を応援しようという方向に意識も変わってきた」と指摘。5年で倍増の目標を達成するため、特に女性技能者をいかに増やしていくかが2年目以降の課題になるとしている。

女性活躍へ取り組み進展/国交省行動計画策定から1年/業界の意識も大きく変化

《日刊建設工業新聞》

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