前田建設が土木構造物築堤材の出荷管理システム開発、ICカードとスマホで管理自動化 画像 前田建設が土木構造物築堤材の出荷管理システム開発、ICカードとスマホで管理自動化

IT業務効率

 前田建設は、現場近くの岩石質材料などにセメントと水を添加して製造する土木構造物の築堤材「CSG(Cemented Sand and Gravel)」の出荷を効率よく高精度に管理できる新システムを開発した。CSG製造後の出荷・荷下ろし時にダンプ運転手が携帯するICカードをスマートフォンにかざすと、時刻情報やCSG配合量などの情報が読み取られ、自動でデータベースに記録される。帳票の作成を自動化でき、従来は紙ベースで管理していた煩雑な作業の省略にもつながる。CSGは、建設現場周辺で入手できる岩石質の材料にセメントと水を加え、簡易な混合施設で造る材料。CSGをブルドーザーで敷きならし、振動ローラーで転圧することで面状に構造物を造成する。ブリージングが少なく施工の簡略化・高速化を図れるため、ダム堤体の構築(台形CSGダム)のほか、近年は、東日本大震災の復興事業で海岸堤防の整備に使われるケースも出ている。
 CSGが使われている静岡県発注の「平成25年度篠原海岸津波施設整備事業(海岸)工事」に開発した「CSG出荷管理システム」を初適用した。南海トラフ巨大地震による津波対策として浜松市沿岸域に計画されている防潮堤整備(延長17・5キロ)の一環で、前田建設は約5キロ区間のCSG製造とコンストラクションマネジメント(CM)業務を担当している。工事は4工区に分け、地元企業で構成するJVが施工している。CSGの打設量は約55万立方メートルとCSGの打設量としては過去最大級の規模。加えて、CSGの配合は材料や必要強度の組み合わせから数種類に上り、これらを同時に製造・出荷している。大量かつ多種類のCSGを効率的に供給するため、CSG製造設備は当初計画のバッチ式の傾胴型を変更し、独自開発の「M―Yミキサー」を用いた重力型の連続式CSG製造設備を工区ごとに全4基設置した。
 このミキサーは6段のユニットが鉛直に連結し、材料がユニットを通過するごとにCSGを混合する。複数の異なる材料を連続的かつ均質に混合できるのが特徴だ。今回工事での製造能力は1時間当たり120立方メートルで、最大200立方メートルの供給が可能という。CSG堤構築の最盛期は、1日に600台以上のダンプが各工区にCSGを出荷。工事の進ちょくによって、異なる配合のCSGを出荷する場合もあり、誤配合の対策も求められる。システムでは、製造プラントヤード、施工ヤードの2カ所にスマートフォンを配備。出荷時と荷卸し時に各工区のダンプ運転手がICカードをタッチすると、▽出荷日時▽CSG配合出荷プラント▽積み込み車両ナンバー▽積み込み重量▽荷卸し時刻―などが自動でデータベースに記録される。これらの情報は定期的にインターネット上のサーバーにアップ。発注者やCSG製造者、施工者が最新の出荷状況を確認することが可能だ。誤配合なく正確な製造と供給を実現し、円滑な施工をサポートする。記録されたデータから帳票も作成でき、現場スタッフの業務を大幅に削減できる。画像処理技術を用いたCSGの粒度判定システムの構築も検討しており、生産性や品質向上のための対策を今後も拡充していく。

前田建設/土木構造物築堤材の出荷管理システム開発/帳票作成を省力化

《日刊建設工業新聞》

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