事故車・水没車でビジネス……修理しなくても海外や部品・部材として販売 画像 事故車・水没車でビジネス……修理しなくても海外や部品・部材として販売

制度・ビジネスチャンス

ダメージカーという聞きなれない言葉がある。つまりはダメージを受けたクルマ。簡単に言えば事故車なのだが、単にそれだけではなく、最近よくあるのゲリラ豪雨で水没したり、災害で損傷を受けたクルマなどもダメージカーなのだ。

事故車の場合は、その程度によっては修復も可能。しかし、災害によって損傷を受けたり、水没したとなると通常は廃棄処分である。ところがそんな廃棄されるクルマを買い取ってくれるという有り難い事業があるのだ。こうした事故車、損傷車の買い取り業務をする会社は日本にいくつか存在する。今回取材をしたのはタウ・コーポレーションという国内ではトップのシェアを持つ会社だ。

水没あるいは災害による損傷を経験したユーザーは少ないと思うが、事故の経験があるというユーザーは多いだろう。事故を起こしてしまったら、まずは保険屋を呼び、その後の対応は保険屋任せというケースがほとんどだと思うのだが、修理見積もりが大きかったり、あるいは車両保険に入っていなかった結果、全額自己負担などという経験を持つユーザーもいるだろう。実際車両保険未加入のユーザーは全体のほぼ半数に上るというから、驚かされる。

さて、上のようなケース、今までだったら保険屋もしくは修理工場に言われるがままにクルマを処分していたと思うのだが、少し積極的になって、自分で売り先を探すというひと手間を加えると、思ってもみなかった結果が出るかもしれない。

いくつかの事例で紹介すると、エンジンは生きているものの、自力走行が出来なくなったメルセデスベンツ『Cクラスステーションワゴン』、修理見積もりが135万円のところ、タウでの買い取り金額は70万円。見積金額を全額カバーするような保険にでも入っていれば助かるが、なかなかそうはいかない。かといって廃車は忍びない。そんな時このダメージカー買取りが役立つというわけである。当然保険に入っていれば、修理せずに保険を受け取って、廃車寸前のクルマを買い取ってもらえば、次のクルマ購入の資金にもなるわけだ。

ではこうしたダメージカーを買い取った業者は一体どうするのか。タウの場合、独自の判定基準によってこれが修復可能か否かを判定し、可能と判断した場合は独自の流通経路で海外に輸出する。しかも修復せずに。修復不能の場合は解体の後パーツとして流通させるか、さらにひどい場合は資材として流通させるのだという。こうした再利用方法の選択を同社では「カー・トリアージ」と呼んでいる。つまりダメージカーはリユースされるか、リサイクルに回されるかの分かれ道がここで決まる。

リユースされるのはまず海外だ。何故か。それは世界には日本人とは異なる価値観を持つ人々が多く存在するからに他ならない。それに完ぺきを求める日本人と違って、まだまだモータリゼーション発展途上にある国では、例え事故車であってもそこに大いなる価値を見出す人が多く存在し、しかも現地で見事に修復する技術を持っているということである。

タウは世界110か国に販路を持ち、いったん買い取ったクルマのリユースが可能となると、それをインターネットを通じて会員となっている顧客(企業が大半)に情報を流し、オークション形式で販売するのだという。買い取られたクルマは輸出され、現地で見事に修復されて、第2の人生ならぬ車生を生きるのだ。会員となっているタウの顧客は10万社に上る。

査定に出したものの、結果はゼロ。そんな経験をされたことのあるユーザーは、一度こうしたダメージカー買取に相談してみると、予想外の結果が得られるかもしれない。

“ダメージカー”を買い取ってもらう、という選択肢…タウ・コーポレーションの取り組み

《中村 孝仁》

編集部おすすめの記事

特集

制度・ビジネスチャンス アクセスランキング

  1. ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に見る“契約”の価値観

    ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に見る“契約”の価値観

  2. 【養殖モノを海外で売る!:2】キャビアの商機は東南アジアに

    【養殖モノを海外で売る!:2】キャビアの商機は東南アジアに

  3. 建設業界、「人手不足」は根拠がない話

    建設業界、「人手不足」は根拠がない話

  4. 本日の新聞から:トヨタがディーゼル、ホンダがシビックを復活、MRJ順調など

  5. 東京23区内の大規模建築計画上昇中!最多はやっぱりあの区!?

  6. 建設進む北海道新幹線、国内最長の陸上トンネル誕生へ!

  7. 老舗の小さな商店はなぜ生き残れるのか?

  8. 東京の鉄道のこれから、路面電車復活も!?

  9. 「一見さんお断り」、なぜ利益になる?

  10. 【規制緩和が生む新観光業:3】高単価ガイドツアーが売れる理由

アクセスランキングをもっと見る

page top