竹中工務店、ダブル免震実用化にめど――形態複雑な超高層で高い安全性 画像 竹中工務店、ダブル免震実用化にめど――形態複雑な超高層で高い安全性

インバウンド・地域活性

 竹中工務店は、免震層を2層設ける「ダブル免震」の実用化技術を確立した。基礎部分に免震装置を備えたビルの中間階に、さらに免震装置を設ける構造。免震装置の変形に余裕が生まれるだけでなく、建物形状が中間階で切り替わるビルの高層部分に生じる大きな変形を抑えることが可能になる。形態が複雑で不連続な超高層ビルなどで免震構造の性能を一段と高め、安全・安心を実現する技術として提案する。ダブル免震の概念は1980年代後半に提唱されていたが、免震層が1層でも十分な性能を得られており、実用に向けた技術開発は進んでいなかった。このため導入例は研究施設の名古屋大学減災館(名古屋市千種区)の1棟だけにとどまっている。ただ近年は、想定すべき入力地震動が大きくなりつつあり、超高層ビルには長周期地震動への対策も求められている。さらに、免震層が1層の一般的な免震建物で、中間階から建物形状が細くなるような場合、高層部分で大きな揺れが生じる「むち振り現象」や、免震装置が大きく変形するという課題も指摘されるようになっている。
 こうした状況を受け同社は、ダブル免震の技術開発に着手した。ダブル免震構造で地震の揺れ(加速度)を解析した結果、最上階の加速度が通常の免震構造と比べて半分以下に低減し、むち振り現象も抑制できることを確認。地震時に構造体や仕上げ材の損傷を極小化するだけでなく、家具の転倒被害の軽減につながることも分かった。形態が複雑で不連続な超高層ビルでも高い安全性を確保できるようになるため、設計の自由度が高まる。免震装置の変形にも余裕が生まれることから、基礎部分の免震クリアランスを小さくできる。その結果、地下の掘削量を減らす効果が見込める。隣の建物との距離が近い都市部でも建築面積を最大限に確保できるようにもなる。同社はダブル免震技術の実用化にめどが付いたことから、提案活動を開始した。国家戦略特別区域(国家戦略特区)での採用を視野に、最高水準の安全性と快適性を備えた建築コンセプト「プレミアムセイフティビル」の中で、高次元の安全・安心を実現する技術の核に位置付けている。同社技術研究所の山本雅史地震工学部長は「(ダブル免震の)メリットを受け入れられる時代になってきた」としており、早期の初採用を目指す。

竹中工務店/ダブル免震実用化にめど/形態複雑な超高層で高い安全性

《日刊建設工業新聞》

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