物流デベロッパー・トップの視点(2):オリックス・久保田勲物流事業部長、グループ力を活用 画像 物流デベロッパー・トップの視点(2):オリックス・久保田勲物流事業部長、グループ力を活用

マネジメント

 2003年に物流施設の開発事業に参入したオリックス。グループが持つさまざまな経営資源やネットワークを活用しながら、競合他社とは異なる事業展開を模索する。同社不動産事業本部の久保田勲物流事業部長は、「長期の借地案件や中小型物件の開発など、専業大手がやらないようなニッチな分野でマーケットを開拓していく」と意気込む。

 --物流不動産の開発市場が活況だ。

 「物流不動産の知見がない中で市場参入した2003年当時は、ここまで大きな市場になるとは予見できなかった。当初はテナントを探してBTS(ビルド・トゥー・スーツ)案件を中心に、リスクヘッジしながら開発事業を展開してきた。リーマンショック後の09年ごろからマルチテナント型の開発に本腰を入れだした」
 「これまでの開発実績は35件、総額2000億円程度を投じてきた。現在は関東で2件、中部、近畿でそれぞれ1件の開発を進めている。基本は首都圏を中心に近畿、中部を含めた3大都市圏が主要エリアだ。それ以外のエリアに自ら率先して出て行こうとは考えていないが、マーケットの変化には柔軟に対応し、ニーズがあれば検討する」

 --今後の事業戦略をどう考える。

 「オリックスにとっては多くある事業の一つであり、何物件もどんどんやれということはない。1件ずつより良いものを仕上げる。会社としての開発目標は定めていないが、年2~3件は仕込んでいきたい。専業大手は投資効率を考えて大型物件を開発しているが、当社は敷地3000坪、延べ5000~1万坪の中小型のBTS案件を軸に事業展開を図る」
 「地価や建設コストが上がり、初期投資がかさむ中で、土地を取得せず、50年間の定期借地権を設定した土地など、長期の借地案件の開発事業にも積極的に取り組む。首都圏ではエリア別に土地の仕込みに優先度を付け、入札の難易度が高くても頑張るエリア、相対取引を中心とするエリアなど、濃淡を付けながら勝負所を見定める。オリックスグループ2万社のネットワークを駆使し、相手の顔の見える取引を心掛けている」

 --市場の展望は。

 「短期的には過当競争で施設によっては空室率が上がり、明暗が分かれる物件もあるかもしれないが、中長期では供給過剰感はない。まだまだ建て替えや近代的施設へのニーズは高い。特にパートなど施設で働く人たちの集めやすさへのニーズは強く、物流ネットワークを再構築する動きも本格化する」
 「ここ数年で物流施設のハイスペック化が一気に進んだが、今は見直し期に入っている。適正な賃料でテナントに供給することが重要であり、何でも免震や環境対応などフルスペックのマルチテナント型である必要はない。ゼネコンもいろいろな技術・ノウハウを持っており、われわれのターゲットコストに近づけてくれる会社と協力・連携しながらコスト高に対応していく」。
《日刊建設工業新聞》

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