「小規模企業共済」で節税と資金繰り対策 画像 「小規模企業共済」で節税と資金繰り対策

制度・ビジネスチャンス

「老後破産」などという言葉が取り沙汰されるように、国の公的年金ばかりに頼っていられない時代になってきました。老後資金の助けになるのは退職金ですが、フリーランス(個人事業主)の方は退職金がありませんので、自分でなんとかしなければなりません。

そこでお勧めなのが、月々1,000円から始められる「小規模企業共済」。簡単に言えば退職金の積立制度なのですが、ただの積立ではありません。掛金の全額を「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引くことができるので、節税になるのです。掛金は1,000円から7万円まで500円刻みで設定可能。事業の種類により加入できる条件は異なりますが、利用できるのは、おおむね従業員数が20人以下の小規模な企業の役員や個人事業主です。
受取方法も、一括・分割・一括と分割の併用から選ぶことができます。

「確かに老後も心配だけど、まずは事業を安定させないと・・・」というのが本音でしょう。ですが、「小規模企業共済」は、貯めるだけではありません。納付した掛金の範囲内に限られますが、病気や災害による入院で経営に影響が出た場合や、資金繰りが厳しくなった時に担保や保証人なしで貸付もしてくれるのです。退職金準備の制度としては個人型確定拠出年金もありますが、「小規模企業共済」はこの貸付制度があるのがメリットといえます。ちなみに2015年7月7日現在の一般貸付の利率は1.5%となっています。

但し、注意点があります。「小規模企業共済」は、20年以内に解約してしまうと、戻ってくる共済金が少なくなってしまいます。将来、共済金を受け取りたい年齢から逆算して、少額からでも早めに積立を開始した方が良いでしょう。掛金の支払いが苦しくなったら掛金を減額することもできます。逆に、事業が好調なときは掛金を多くして節税対策に利用するということも可能です。

では、一体どのくらい節税になるのでしょうか?一例として、毎月5万円の掛金で20年間加入した場合の節税効果を試算してみます。1年間の掛金の合計額は60万円ですが、所得税と住民税を合わせた節税効果は年間182,500円と、かなりの金額になります(前提条件として、課税所得金額を500万円で試算しています)。また、将来受け取る共済金は、掛金の約1.6倍になるという試算結果でした。これらは、運営元の独立行政法人中小企業基盤整備機構のホームページから試算できます。節税対策にも、将来の退職金としても活用するメリットは大きいですね。

個人事業主の退職金「小規模企業共済」で節税と資金繰り対策

《福島 佳奈美》

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