障害者の雇用義務化、農村・障害者・企業は互いの利益模索へ 画像 障害者の雇用義務化、農村・障害者・企業は互いの利益模索へ

マネジメント

 障害者の雇用が義務付けられ、企業がより多くの障害者を雇用するためにつくった特例子会社の中で、農業に取り組む例が目立ってきた。企業に課す障害者雇用の制度が年々厳しくなり、親会社の社屋を清掃するなどの従来の業務だけでは仕事が足りないからだ。

 特例子会社の農業参入は、担い手確保につながるなど利点がある一方で、農業から撤退する可能性もあり、障害者や農村側は心配だ。農福連携は農村、障害者、企業とが関わるだけに、3者の利益になる連携の方法が求められている。 

 民間企業には、従業員の2%に当たる障害者を雇用する義務があり、この割合を法定雇用率という。障害者雇用を進めるため特例子会社制度ができ、厚生労働省から認可を受けると、子会社で雇用する障害者を親会社での雇用と見なせる。2018年度には労務管理が難しいとされる精神障害者の雇用が義務化され、法定雇用率も上がるとみられている。

 特例子会社は直近の数字で391社。農林水産政策研究所によると、農業に取り組むのは少なくとも25社。農地を借りて露地で農産物を生産したり、親会社の敷地内にハウスを建てて水耕で葉物を作ったりと、さまざまな形態がある。農業で採算が取れない企業は多く、親会社からの補填(ほてん)に頼っているという。

 同研究所の吉田行郷総括上席研究官は、「企業のCSR(企業の社会的責任)活動の位置付けがあり、簡単には事業をやめない。不退転の決意で入っている。多くの障害者を雇用するなど波及効果も出ている」と評価する。「地域農業、企業、福祉側と、どちらにも利点があり、課題はほぼ見当たらない」と語る。
《日本農業新聞》

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