【この人に聞く】エクイパルコ社・ロニービック・コンデ・ラグナダ社長 画像 【この人に聞く】エクイパルコ社・ロニービック・コンデ・ラグナダ社長

マネジメント

 地域の産業を活性化し、雇用を確保する-。政府が推進する「地方創生」の趣旨だが、その取り組みは道半ば。海外では、地方の建設会社が本業の建設で培ったノウハウを生かし、地域の中心的な存在として多様な事業に関わり、地域振興に取り組む成功例がある。長大とフィリピン・ミンダナオ島の地場ゼネコンであるエクイパルコ・コンストラクションの活動だ。4日に都内で開かれた東洋大学主催の国際PPPフォーラムに参加するため来日した同社のロニービック・コンデ・ラグナダ社長に取り組みを聞いた。
 --長大とミンダナオ島でPPP事業を展開している。
 「長大はブトゥアン市などと連携し、小水力、水道、農水産などのPPP事業への出資から設計、建設などの多くを支援してくれている。水道は今年12月、ダムの小水力発電事業は来年度第2四半期までに完了する。ウナギの養殖事業では現地でさばいたウナギの蒲焼を真空状態にし、日本に輸出を始めた。ウナギの生産・輸出などで利益を生み出し、地域振興のための事業に資金を投下する」
 「その一つが稲作と精米への支援だ。CTC社という横浜の企業が持つ技術を活用し、田んぼの土壌を改良する実証試験を行っている。米の平均収穫量が日本に近づいた。1970~80年代に行われていたエビの養殖場が何千ヘクタールも放棄されているため、CTC社の技術を使って復活させたい。国際協力機構(JICA)からも支援を受け、エビ養殖場再生に向けた案件化調査を共同で行っている」
 --PPPは地域振興に役立つ。
 「地域開発は国家規模のものよりペースが速い。このため、フィリピンでは民間企業が主導し、プロジェクトをマネジメントすることが奨励されている。そのツールがPPPだ。良いマネジャーやスタッフ、パートナーを得ることで、プロジェクトは息の長いものになる。長大とはパートナー企業として常に状況を報告し合い、関係を密にしている。PPPは地域を開発する良いツールと考えている」
 「海外の途上国は開発のポテンシャルがある。日本の地方建設会社は海外の現状を見てもらいたい。海外の都市圏に注目せず、地方に行けばそれなりのスケールのビジネスがある。身の丈に合ったものを選んでいくのがよいのではないか。ミンダナオで行っている地域創生の取り組みがモデルとなってフィリピン全土に広がれば光栄だ」
 --今後の展望は。
 「現在、当社と長大で行っている大半の事業がインフラストラクチャーベースの案件だ。今後は新たなビジネスを展開し、地域経済の発展や雇用の創出を実現する。マニラ、セブ島に食料を供給するミンダナオは農業系経済特区に指定されている。農業事業のポテンシャルは大きい。当社も精米、養鰻(ようまん)、飼料の合弁事業を検討中だ。食品加工や飼料メーカーなどの日本企業をパートナーとして迎えるビジネスマッチングを手掛けたい。経済特区に日本企業を誘致し、地域が潤うことが最終的なゴールになる」
 --日本政府に期待することは。
 「ミンダナオの開発では金融、技術、人材の全てで好意的に支援を行ってもらっているが、今後は地域開発を進める上での地元住民の理解を深める意識改革の部分、いわゆるソーシャルデベロップメントへの取り組みの支援をお願いしたい」。

この人に聞く/エクイパルコ社・ロニービック・コンデ・ラグナダ社長

《日刊建設工業新聞》

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