オランダ産切り花をロシアが輸入禁止へ!? 害虫発見で全量検疫、撃墜事件の報復 画像 オランダ産切り花をロシアが輸入禁止へ!? 害虫発見で全量検疫、撃墜事件の報復

海外進出

 ロシアがオランダ産切り花の輸入を近く事実上ストップする見通しだ。両国の政治的対立が高まったことが原因。オランダの花き業界は警戒感を強めるが、混乱による被害は、禁止措置の対象ではない途上国の花輸出国にまで広がりそうだ。

 ロシア政府の検疫当局は、オランダから輸入する切り花のコンテナの6割から害虫が発見されたとして、オランダから輸入する切り花の全量検疫を10日に始める。

 オランダ農業園芸企業経営者連合会の広報担当者は6日、日本農業新聞の取材に対し「現時点でロシア政府からの正式な発表はなく、メディア情報によると月曜日から検疫が強化される見通し。導入されれば国境での混乱が予想され、通関が長引いて切り花の品質低下が懸念される」と説明した。

 オランダ農業卸売委員会の統計(2013年)によると、ロシア向け切り花輸出額は1億9200万ユーロ(1ユーロは138円)で、ドイツ、英国、フランスに次ぐ第4位。他国向けが前年を下回る中、ロシアは2%増えるなど数少ない成長分野だっただけに、オランダの花き業界の打撃は小さくない。

 一方、ロシアがオランダから輸入する切り花の原産地は多様で、影響はオランダの花農家にとどまらない。世界の切り花に詳しい(株)クラシック社の西尾義彦社長によると、アフリカのケニアや南米のエクアドルのバラなどがいったんオランダに輸入されて、そこから陸路でロシアに向かうケースが多いという。

 英経済紙によると、エクアドル産のバラの23%はロシア向けで、最近はロシア経済の不調によって単価の値下がりに直面していた。さらにオランダ経由で販売していた分が減少することになれば、「エクアドルのバラ生産者は厳しい立場に置かれるだろう」と西尾社長は解説する。

 今回の禁輸措置の背景には、政治的な対立がある。昨年7月のウクライナ東部で起きたマレーシア機撃墜事件で、一番犠牲者が多く出たのがオランダ。オランダが主導した国際調査チームが「親ロシア派の地対空ミサイルが撃墜した」と指摘。関連を否定するロシアとの間で緊張が高まっていたため、オランダに対する「報復」という疑いが濃厚だ。

 ロシアは昨年8月に欧州や米国などから食品輸入を禁止し、現在も継続中だ。これもウクライナ問題での対立が原因。ロシアは、食料や切り花など農産物の貿易制限を政治的な手段として容赦なく利用する印象だ。
日本農業新聞

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