社会保険の加入原資を明示する「標準見積書」、建設業界での浸透は低調……提出企業は4分の1以下 画像 社会保険の加入原資を明示する「標準見積書」、建設業界での浸透は低調……提出企業は4分の1以下

制度・ビジネスチャンス

 社会保険の加入原資となる法定福利費を内訳明示した「標準見積書」の活用が低調に推移している実態が、建設産業専門団体連合会(建専連、才賀清二郎会長)が14年度に行った「社会保険等加入状況に関する調査」で明らかになった。3回目となる調査で初めて標準見積書の活用状況を聞いたところ、法定福利費を内訳明示して見積書を提出した工事の割合は24・1%で、明示しなかった工事の割合(75・9%)を大幅に下回っていた。標準見積書に関する質問には、調査回答企業(3824社)のうち707社が回答。これらの企業が施工に当たった工事(1582件)について、法定福利費を内訳明示したかどうかを聞いたところ、明示した工事が381件(24・1%)、明示しなかった工事が1201件(75・9%)となった。
 調査委員会の蟹澤宏剛委員長(芝浦工大教授)は「この調査項目に未回答だった企業も明示していないと見なせば、標準見積書はほとんど浸透していないと言わざるを得ない」と指摘している。見積書に内訳明示した法定福利費が実際に支払われたのは68・8%の262件。公共工事、民間工事いずれも6~7割に達しており、見積書で内訳明示をすれば法定福利費が支払われるケースが多いことも分かった。こうした調査結果から、「まずは法定福利費を明示した標準見積書を専門工事業者側が作成し、元請に提出しなければ何も始まらないと認識すべきだ」(蟹澤委員長)としている。標準見積書の活用をめぐる約150件の意見を集約した結果、「元請企業があまり積極的ではない」が37件と最も多く、活用が元請の意識に大きく左右される実態が浮き彫りとなった。これに「まだ活用していない」(23件)、「内訳の算出・明示が難しい」(22件)が続いており、標準見積書の活用に当たっては下請企業側にも課題があることが分かった。調査では、回答企業の1社当たりの社員数が増加していることも判明した。国民健康保険に加入していた会員企業の「社員外」の人材が厚生年金に新規加入し、社員化したとみられるという。

標準見積書の活用低調/提出は24・1%、元請の意識が左右/建専連調査

《日刊建設工業新聞》

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