公共工事の完全週休2日、なぜ難しい? 受発注者の見解は 画像 公共工事の完全週休2日、なぜ難しい? 受発注者の見解は

人材

 首都圏の公共発注機関と受注者の間で、週休2日や4週8休など十分な休日数を確保する工期設定のあり方をめぐり、さまざまな見方が出ている。各工種の標準的な作業日数に、土・日曜の休日や降雨を想定した休工期間などを組み入れて発注者が算出している工期が、なぜ「実態に合っていない」と受注者から批判されるのか。問題の一端は、標準的な作業日数の積み上げが実勢との開きを招いていることにあるとの見方がある。7月に水戸市内で開かれた茨城県建設業協会と関東地方整備局の意見交換会。適切な工期設定を求めた協会側に対し、関東整備局側は「さまざまな現場条件を踏まえた設計と国の標準歩掛かりに基づき算出した必要作業日数に、休日数などを積み上げて設定している」と回答した。こうした工期設定は、他の発注機関も行っている一般的な手法とされる。
 自治体の中には、「週休2日を想定した工期設定は既に行われている。現場でなぜ達成できないのか」との意見もあるが、地方の建設業者は、こうした発注者の認識に強く反発している。栃木、茨城、群馬3県の建設業協会は、7月に開いた15年度合同会議で、「若い入職者の最大の関心は、完全週休2日制の有無にある。実現には、実行可能な工期設定が必要だ」との認識で一致。現状の工期設定には不備があるとの見方をあらためて共有した。「標準化された作業日数は、事務負担が軽くなる利点もあるが、標準から外れるケースが重なる場合は妥当性が揺らぐ」。ある発注機関は、工期の長さの捉え方で受発注者間に隔たりがある要因の一つをそう分析する。
 例えば、施工条件が複雑だったり、使用する資機材が特殊だったりする工事などは工程管理も難しくなる。標準を上回る作業日数を想定しておく必要があるが、現状では対応が不十分なため、土・日曜を作業日に当てなければ工期内の完工を達成できない状況に陥るケースがあるとみている。受発注者の間では、各工種で必要とみる作業班の数(パーティー数)にも差異があり、工期が一致しないとの見方も有力だ。通常、パーティー数が多ければその工種の工期は短く、少なければ長くなるため、双方が想定するパーティー数によっては、全体の施工数量が同じでも工期に差が生じることもあり得るからだ。施工に必要な工種、数量、パーティー数などを入札公告時に参考資料(概略工程表)として公表する取り組みは、小規模で難易度の低い築堤や低水護岸工事などを対象に関東整備局の江戸川河川事務所が7月から推進している。業界側は「同様の試行が広がることに期待する」(茨城建協)と取り組みを評価する。こうした先行事例が生まれたことで、首都圏では就労環境を改善する工期設定の具体的な議論が活発になる可能性も出てきている。

現場の休日確保-首都圏の受発注者に多様な意見/工期設定で議論深化に期待

《日刊建設工業新聞》

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