介護市場で中小企業がヒット商品続々、ロボット技術活かす 画像 介護市場で中小企業がヒット商品続々、ロボット技術活かす

インバウンド・地域活性

 要介護者をベッドから車いすや簡易トイレに移す移乗作業をめぐり、中小企業やベンチャーによる支援機器の製品化事例が増えてきた。アートプラン(滋賀県彦根市)は、上半身をもたれさせることで、1人で移乗できる「愛移乗(あいじょう)くん」を投入。北海道大学発ベンチャーのスマートサポート(札幌市中央区)は、動力を使わずゴムだけで筋力を補助する「スマートスーツ」の累計販売数が約2000着に達した。開発のポイントは”移乗する側もされる側も気分良く“だ。 【精神負担軽く】 介護作業の中でも、機器やロボットによる支援が求められる大どころが移乗作業。介護従事者の約7割は腰痛に悩むとされる。産業用機械や液晶・半導体製造装置の自動化・省力化装置を設計するアートプランは、「産業向けではなく一般向けの貢献を考えた」(渡辺正社長)結果、「愛移乗くん」を2012年に発売。主力事業のかたわら、これまでに累計約50台を販売した。 要介護者は上半身を動かせれば、介助者の助けがなくても自分で移乗できる。「類似品はあるが、1人で移乗できるものはどこも出していない。1人でできる点が、移乗される側、する側双方の精神的な負担を軽くしている」(担当の山崎浩之氏)という。度々「お願いします」と頼んだり、排せつの世話を頼んだりするのは、互いにストレスになるためだ。 【ロボ技術元に】 スマートサポートの「スマートスーツ」は、ゴムの張力だけで、腰にかかる負担を約25%軽減する。鈴木善人社長が農家から腰痛の話を聞き、北大大学院の田中孝之准教授に相談したのが開発のきっかけ。皮膚とゴムの伸縮具合を分析し、ロボット技術を元に動作計測した。 価格は、衣服の内側に着用するタイプが消費税抜きで3万8000円、外側に着用するタイプが同4万3000円。低価格なうえ、深夜でも機械音を気にせずに使える。 【あおむけのまま】 FA機器の制御システムを開発するマッスル(大阪市中央区)は、要介護者が起き上がることなくあおむけになったまま移乗できる「ロボヘルパー・サスケ」を16年度に発売予定。スリングシートを要介護者の下に敷き入れ、面で支えるようにして体圧を分散させる仕組みだ。同製品以外にも積水ハウスと共同開発しており、大企業の目にもとまる。 3社のいずれも規模は小さい。だが、腰痛防止という着地点に目をこらし、「移乗する人もされる人も、安全に安心して気分良く移乗できるものは何か。その目的を忠実に実現しようとした」(マッスル)点が共通している。既存の原理や技術、製品にとらわれない、新規参入の中小企業ならではの強みが発揮されている。 (文=米今真一郎)

中小企業の知恵で介護の問題を解決!ロボット技術生かす

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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