大田区のものづくり現場に大卒・院卒リケジョ 画像 大田区のものづくり現場に大卒・院卒リケジョ

インバウンド・地域活性

 安倍晋三政権は経済政策「アベノミクス」の一環として「女性が輝く日本」を目指しており、「リケジョ」や「ドボジョ」など女性の活用場面は広がっている。約3900の製造業が集まる東京都大田区の現場でも、女性を新卒採用している。女性にできない力仕事は自然に男性が手伝う。助け合いながら、精度の高い製品を作り出している。【大学院から精密加工へ】 「大学院では機械工学の研究をしていたが、自分で手を動かす仕事に就きたかった」―。こう熱く語るのはプラスチックの精密加工を行うシナノ産業に入社した木村のぞみさん。研究で得た知識を仕事に生かしている。 シナノ産業には今年、2人の新卒女性が入社。展示会の説明員としても活躍している。柳沢久仁夫社長は「女性の方が話しかけやすい。今後現場で経験を積めば技術の理解が深まり、説得力のある説明ができる」と話す。適材適所で女性社員を活用する。【女性の意見を取り入れトイレ・更衣室整備】 工業材料の強度検査に使われる試験片加工を手がける、昭和製作所に入社した西銘佑梨さんは「大田区のモノづくり周知活動の雰囲気にひかれた」とほほ笑む。大学では生命科学を専攻したが、現在は加工現場を一から学んでいる。 昭和製作所は2012年の工場移転の際、清潔なトイレと更衣室を整備した。特に女性用部分は女性の意見を取り入れ、化粧直し用の棚や全身が写る鏡を入れるなど改善した。舟久保利和社長は「社員の労働環境を整えるとともに、女性を含めた新卒採用を見越していた」と振り返る。「今後外国人などの採用も視野に入れていく」といい、多様な人材を生かすダイバーシティー経営を目指す。【平均年齢35・6歳の活気ある現場】 「工業高校ではデザイン系の学科だったが、モノづくりを仕事にしたかった」と笑顔をみせるのは、フッ素樹脂加工を主力とするエステックに入社した笹原美紀さん。現場には1年先輩の女性社員がおり、頼もしい先輩のもと、修行の日々を送る。 志村春雄社長は「もともと集中力のある女性の方がモノづくりには向いている」と話すが、人材の幅を広げるために男女問わず定期的に新卒採用を実施。平均年齢が35・6歳と若手の多い現場は、活気に満ちている。 高齢化が進む製造業の現場で「若返り」は一つの大きなテーマとなっている。新卒採用の実施において、性別の垣根は低い。女性を採用するには更衣室、産休育休の整備など就労環境整備が必要で手間がかかる。こうした環境整備は社員全員の就労環境向上にもなる。また、採用すると社内の雰囲気が明るくなり、男性の士気も上がるという。製造現場における女性活用には利点が多い。今後さらなる広がりをみせそうだ。(文=南東京・門脇花梨)

大卒・院卒リケジョも一から修行、東京・大田の加工業3社に聞く

《ニュースイッチ by 日刊工業新聞》

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