復興の仙台塩釜港・港区、推進14m岸壁などインフラ強化で競争力高める 画像 復興の仙台塩釜港・港区、推進14m岸壁などインフラ強化で競争力高める

インバウンド・地域活性

 東北の物流や経済を支えている仙台塩釜港・仙台港区(仙台市宮城野区ほか)。東日本大震災で被害を受けたが、直後から24時間体制で復旧工事が行われ、順調に機能を回復。14年の総コンテナ貨物量は21・3万TEUとなり、震災前の10年と同水準まで戻すことができた。水深14メートルの岸壁整備など機能拡充に向けた工事も進展中だ。東北地方整備局では「世界的に船舶の大型化などが進んでおり、競争力強化を図りたい」(佐野透塩釜港湾・空港整備事務所長)と話している。仙台港区は、1964年に新産業都市「仙台湾地区」に指定されて以降、臨海型工業の開発拠点として堀込式港湾の建設が始まった。81年に主要施設が完成し、その後、貨物拠点などの集積が進んでいる。14年の貨物取扱量は4007万トンに上る。トヨタ自動車の東北進出に伴い、完成自動車の取扱量も991万トン(約99万台相当)に伸びている。
 安定的な物流手段が確保されているからこそ、企業進出が実現できている側面もあり、トヨタ自動車の動きに連動した周辺部品メーカーの工場進出も含めて、大きな経済波及効果を生んでいる。稼働中の施設のほかにも、官民の事業主体が機能強化を図っている。中野ふ頭の先端部では「中野地区国際物流ターミナル整備事業」として、水深14メートルの新たな岸壁が整備される。国土交通省がジャケット式桟橋を整備し、宮城県が背後地の埋め立て事業を実施する。整備面積は6ヘクタール。既設の中野1号岸壁(水深12メートル)よりも深く、穀物輸送船の満載入港が可能となる。これにより、中野地区の混雑緩和や輸送の効率化が図られる。完成は16年度を予定している。
 パナマ運河拡張計画などを背景に、輸送コスト削減を図るため、コンテナ船の超大型化が世界で進展している。こうした国際情勢も考慮しながら、競争力を保っていく必要がある。仙台港区の北東端部では、東北電力が新仙台火力発電所の整備事業を展開中だ。LNGを燃料とする新たな発電施設を稼働させる計画で、16万キロリットルのLNGタンクを整備する。2基のうち、1基が整備済みで、今月16日には約6万トンを積んだLNG船がマレーシアから初入港した。新たな発電は、12月からの運転開始を予定している。貨物をめぐっては、北米西海岸ルートが新たに開設されるなど、明るい話題が続いている。一方で、貨物ヤードが狭く、貨物を3段積みにしているといった状況もある。地域経済の要として、時代に則した機能拡充が今後も重要となる。

インフラ強化進む仙台港区/水深14m岸壁、16年度完成へ/東北整備局

《日刊建設工業新聞》

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