くら寿司、今度はカレー……なぜサイドメニューに力を入れるのか? 田中邦彦社長 画像 くら寿司、今度はカレー……なぜサイドメニューに力を入れるのか? 田中邦彦社長

制度・ビジネスチャンス

 回転寿司チェーン「無添くら寿司」を運営するくらコーポレーションは29日、都内で記者発表会を行い、新製品「すしやのシャリカレー」を披露した。会見後には、代表取締役社長の田中邦彦氏が報道関係者の囲み取材に応じた。以下は、その主なやりとりである。

――回転寿司でサイドメニューを強化しているのはなぜか?

よく聞かれることだが、それは“ニーズ”だからだ。(すしネタの)仕入値が高くなるから(サイドメニューに力を入れているのだろう)と言う人もいるが、20年前から見ると魚介類の価格は高くなるのは当り前のこと。仕入値の問題ではない。1970年に回転寿司の業態ができたが、その時は30種類ほどのメニューがあった。そこからメニューは増え、別ジャンルのうどんとかが増えていくのは当然だ。家族で店に行っても、品物がなく食べられないとなると、行くのを止めてしまおうということになってしまう。うどん、ラーメン、カレーも、どんどん増えていくのは自然な形であり、(世間の)ニーズになっているのだ。逆にこのニーズに応えられない回転寿司は滅んでいくだろう。しかも、(メニューは)ハイレベルじゃないとダメ。日本の加工技術というのは優秀で世界一だ。それをうまく取り入れた、まったく無関係のものを開発できる会社でないと、生き残っていけない。

――サイドメニューの比率はどれくらいか?

これもよく質問をうけることだが企業秘密だ。ただ、一般的に言うと20%未満だが、それよりは多少高くなっていると思う。

――カレーを食べて寿司を食べない客がいても大丈夫なのか?

お客さんの嗜好は非常に多様化し、豊かになってきた。だから何かひとつだけで(注文が)終わるというのではなく、いろんなものを食べたいというニーズが生まれている。お寿司も、一皿二皿食べ、カレーも食べ、あれもこれも食べ、というお客さんがメインになってきている。これに応える商品づくりを行っている。

――量も計算している?

そういうことだ

――客単価は上がるのか?

変わらない。これは結構なことだと思っている。結局、900円台というのはここ10年全く変わってない。

――くら寿司はお寿司は全部100円均一で、サイドメニューは200円、300円。それでも客単価は上がらないのか?

変わらない。月によって変動するが、トータルでみたら20円とか30円の差ではないか?10年間で1,000円超えた時はたまにしかない。

――お寿司は100円しかないのはどうしてか?

我々は100円で売るのをメインにしている。お寿司だけは100円で守り通したということだ。
――他店は100円以上だが

人件費、光熱費も上がってきている。魚介類も上がり、サーモンなどは倍くらいになっている。どうしても値段を上げざるをえないという事情があるのだろうが、そこは様々な工夫をしながら踏ん張っている。

――(カレーを10年前に企画した)時からコンセプトはシャリだったのか?

シャリではなかった。最初開発したのは普通のごはんのカレーだった。しかし、ひとつインパクトがない。そこで新たに2年前から試しはじめてシャリになった。何故こんなことをやっているかというと、世界戦略を練っているからだ。私共の作る商品は世界に通用すると思っている。逆にいうと世界の一流レストランの味を、私共は再現できると思っている。それを日本から発信し、日本を活性化させる。某番組では、一流料亭の味をオープンにしたら和食が広がり、食材が売れると言っていた。そんな短絡なことはあり得ない。我々は、現在アメリカで8店舗営業しているが7店舗目までは6年間赤字だった。今ようやく単年度で黒字になった。回転寿司はパフォーマンスで、ソフトウェアの塊だ。回転寿司の業態は世界のレストランの業態を一変する可能性がある。

――今回の製品は試作品の(早い)段階からOKがでたのか?

いや。これ作るのに何回NGを出したか。やってる人間は苦労している。私が、「美味い」と言ったのは昨年。諦めていたが、昨年土壇場で完成した。

――台湾が好調だと聞いているが

簡単に言ってしまえば席に座れないくらいだ。3割くらいは空けているが、2~3週間前に7割は埋まってしまう。当日の分の予約も、12時過ぎたら2時間くらいでうまってしまう。2号店を早く出せと言っている。

――台湾は地場の回転寿司がある。そこのなかでどれくらい指示が得られるか?どこがポイントになるのか?

ポイントは“味”。それが、この商売の基本。それから、「ビッくらポン」とかタッチで注文、オーダーレーン……。こういう日本で行っている仕掛けが驚きをもって迎えられている。これは次の時代の産業、ソニーとか松下に代わって起こる産業で、その可能性を我が社が持っているということだ。高級料亭ではチェーン化は図れないだろう。我々が日本でやっていることは全部実験だと思っている。世界に普遍するというのは創業からのひとつの大きな計画だ。

――客層に変化はでてきそうか?

それはあるだろう。現在高校生が来店してくれてうれしい。年齢はどんどん下がってきている。

――今回の商品投入でもそれが起きるのか?

やってみないとわからないが、カレーは老若男女問わない商品。多くの人が支持してくれると思う。60歳、70歳の人でも支持してくれると期待している

――「カレーで専門店に負けない味」という話がでたが、専門チェーンに社長自身が勝てると考える理由は?

そもそも郊外型のファーストフード、単品でやってるところは構造的に問題がある。私は郊外型のファーストフードは半減すると思う。それを駆逐していくのはコンビニだ。そこと同じ味を提供しているところは非常に苦しくなっていく。チェーン店では、本当に味にこだわって一般の人が食べて「これは違う」というものが提供できない店が苦戦を強いられるだろう。

「世界のレストランの業態を一変する」……くらコーポレーション社長・田中邦彦氏

《RBB TODAY》

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