愛知県半田市「半田赤レンガ建物」の耐震補強工事が完……よみがえった明治建築 画像 愛知県半田市「半田赤レンガ建物」の耐震補強工事が完……よみがえった明治建築

インバウンド・地域活性

 明治時代に建設され、国の登録有形文化財、近代化産業遺産になっている「半田赤レンガ建物」(愛知県半田市榎下町)の耐震改修工事が完了し、7月18日にオープンした。

 設計・監理を安井建築設計事務所、施工を清水建設・七番組JVが担当。いにしえの外観意匠をそのままに、現代の技術を使って明治建築を新たな観光スポットによみがえらせた。

 赤レンガ建物は、1898(明治31)年に「カブトビール」の醸造工場として建設された。その後、さまざまな形で活用され、1996年から同市が建物と敷地を所有。特定の日を除き、これまでは一般開放されていなかった。

 現存する建物は、れんが一部木造(ハーフティンバー構造)2階塔屋2階(一部5層)建て延べ4979平方メートル。基本設計をドイツのゲルマニア機械製作所、実施設計を妻木頼黄、施工を清水組(現清水建設)が担当した。

 耐震改修工事は、外壁や建物内部を保存しつつ、いつでも利用できる施設にしようと、昨年6月から進められてきた。れんが壁の改修では、厚さ約30センチの壁内に約20メートルの高さからコアボーリングを垂直に施し、鉄筋を挿入後、高流動モルタルを注入する「れんが壁鉄筋挿入補強」を採用。また、内外部ともに当時の面影を残すことが要求されたため、作業は「手作り」に近く、苦労と緊張の連続だったという。

 よみがえった建物内には、「カブトビール」や赤レンガ建物を紹介する常設展示室、企画展示室、さまざまな用途に活用してもらうクラブハウス、カフェ、ショップなどが設けられた。

 オープニングセレモニーでは、榊原純夫半田市長が、保存・改修に携わった多くの関係者に感謝するとともに「ものづくりの精神がさらに輝くよう、ブラッシュアップしていきたい」とあいさつした。この後、榊原市長、石原君雄愛知県副知事、河村たかし名古屋市長、野俣光孝中部運輸局長らがテープカットを行い、新たな命が吹き込まれた明治建築の再生を祝った。
日刊建設工業新聞

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