長寿命化?複合化?学校施設整備の優先課題は?
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各教育委員会の学校施設整備担当者にとって重要なのが、来年度の整備計画のための的確な情報収集。7月8日に行われた「第2回NewSchoolセミナー」(一般社団法人文教施設協会主催)では、文部科学省担当者から長寿命化対策を中心とした施策が説明された。そのほか、学校トイレ改善や断熱フィルム導入ほか学校施設整備における最新技術が紹介され、教育委員会関係者や設計事務所など100人に近い来場者が熱心に耳を傾けた。
公立学校施設整備について
速やかに計画検討の着手をメリット多い長寿命化改修
文部科学省大臣官房文教施設企画部施設助成課 木村 哲治課長補佐
木村課長補佐は、まず平成27年度予算(公立学校施設整備費)について触れながら、(1)既存施設を活用した学校統廃合に係る補助制度の創設(2)津波対策のための不適格改築事業の拡充(3)長寿命化改良事業の制度拡充(4)公立幼保連携型認定こども園に対する支援の継続(5)屋外教育環境整備事業の補助時限の延長―など、補助制度の改正についても説明していった。
さらに「公立学校施設の耐震化」については、平成27年度までのできるだけ早い時期の完了を目指す「施設整備基本方針(文部科学省告示)」や「教育振興基本計画(閣議決定)」に触れながら、平成20年6月に改正した「公立学校施設の耐震化事業に係る国庫補助率」について、平成27年度末以降には、「Is値0・3未満の補強=(3分の1→3分の2)」、「Is値0・3以上の補強=(3分の1→2分の1)」、「Is値0・3未満の改築=(3分の1→2分の1)」となる可能性を示唆した。
改築より安価な長寿命化改修
学校施設の老朽化対策の方向性として(1)「計画的整備」(「事後保全型」から「予防保全型」管理への転換、劣化状況、教育内容への適応状況などの把握、中長期的な整備計画の策定)(2)「長寿命化」(現在は平均約42年で改築も70~80年以上の長寿命化も技術的に可能、改築より安価な長寿命化改修へと転換し、耐久性はもちろん近年の教育内容・方法への適応や省エネ化、バリアフリー化など社会的要請に応じた整備が重要)(3)「重点化」(余裕教室などの空きスペースの有効活用、公共施設との複合化や減築も必要)の3つの方向性で進めること説明。
このうち、特に長寿命化については今年4月に文部科学省が発行した、計画を策定する際のポイントなどを解説した「学校施設の長寿命化計画策定に係る手引(概要)」を示しながら、▽長寿命化計画の背景・目的▽目指すべき姿▽学校施設の実態▽学校施設整備の基本的な方針▽同方針を踏まえた施設整備の水準▽実施計画▽継続的運用方針―など、長寿命化計画に盛り込むべき項目について具体的に挙げながら「各地方公共団体に、可能な限り速やかに学校施設の長寿命化計画の検討に着手するよう依頼しているところ」と話した。

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