東京・千代田区、定住人口確保狙い新制度

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 東京・千代田区は、区内で大規模なオフィスビルやマンションを開発する民間事業者に対し、建物内に地域貢献型施設(生活支援施設や交流促進型住宅など)の整備を義務付ける。住宅供給の進展に伴う定住人口の増加を受け、民間事業者にファミリー向け住宅の整備を義務付けていた「住宅付置・開発協力金制度」(1992年制定)に代わる新制度を創設し、多様化する居住ニーズに対応する方針。区は、新たな開発方針を盛り込んだ「第3次住宅基本計画」を本年度中に策定後、新制度の運用を開始する考えだ。現行の「住宅付置・開発協力金制度」では、一定規模の開発事業(敷地面積500平方メートル以上または延べ床面積3000平方メートル以上)を行う民間事業者に対し、開発規模に応じて建物内にファミリー向け住宅の整備を求めている。同住宅の整備が対象ビル内で難しい場合は、区内の別の場所で行う開発事業に住宅を追加整備する。それも難しい事業者は、区に「開発協力金」を拠出している。
 一時期に4万人を切るまで減少した区内の定住人口は、同制度の運用後、増加に転じて2013年に5万人にまで増え、現在は5万5000人を超えている。定住人口の回復状況を踏まえ、区は「住宅の量の確保から『住環境の改善』や『多様な住まい方の推進』といった質の向上」(環境まちづくり部)に一段と注力する必要があると判断。住宅付置義務を撤廃する代わりに、地域貢献型施設の整備を求める施策を盛り込んだ新制度の構築に着手した。新制度の名称は「開発協力制度(案)」。開発事業者に整備を求める施設・機能は、▽生活支援施設(子育て支援施設、社会福祉施設など)▽文化交流施設(コミュニティー活動施設、スポーツ施設など)▽周辺環境整備(防災倉庫の設置、基準を超えた緑化など)▽交流促進住宅(ソーシャルアパートメント、異業種交流型社員寮など)▽課題対応型住宅(医療・介護従事者住宅、ストック再生型住宅など)-を想定している。
 現行制度と同様に、区内の別の開発事業での整備や、開発協力金の拠出による対応も継続する。開発協力金は、区の住宅政策の財源に充てたり、交流促進型住宅などを積極的に供給する事業者へのインセンティブ(助成金など)として活用したりする考えだ。新制度の内容は、このほど区がまとめた「第3次住宅基本計画」の素案で示された。同計画はパブリックコメントなどを経て本年度中に策定される見通し。計画期間は15~24年度を想定している。素案では、▽中古住宅や中小ビルのリノベーションやコンバージョンに対する支援▽老朽化した公共住宅の計画的な建て替え▽既存マンションのスマート化の促進-などといった取り組みの方向性も示された。

東京・千代田区/地域貢献型施設の設置義務付けへ/定住人口確保狙い新制度

《日刊建設工業新聞》

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