台風11号で近畿各地のインフラに被害……地元建設会社が早期復旧に尽力 画像 台風11号で近畿各地のインフラに被害……地元建設会社が早期復旧に尽力

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 台風11号による長期にわたった大雨により近畿圏では被害が多発した。紀勢道南紀田辺インターチェンジ(IC)~上富田IC間(上冨田町朝来地先)では土砂崩壊のため、現在も下り線が通行止め。JR西日本のきのくに線紀伊由良駅~広川ビーチ駅間で17日、山から土砂が流出。現在、御坊駅~箕島駅間は運休中で全線の運転再開は、今月末ごろを予定。台風11号は高知県に上陸後、ゆっくりとしたスピードで北上したため、大雨になった。21日の消防庁災害対策課のまとめによると、近畿では重軽傷者が26人、住宅の全半壊が2棟、一部破損が17棟。住宅の床上浸水は10棟、床下浸水は68棟に及んだ。各地で土砂崩れなどが発生し、地元建設会社が道路の復旧などに取り組んだ。近畿地方整備局では、台風11号の接近に伴い、16日午後3時30分から警戒態勢に入り、河川や道路などの監視を強化。奈良県や和歌山県内の町村などにリエゾン(情報連絡員)を11人派遣したが、被害の状況などを踏まえ、17日午後6時30分までに全員撤収した。台風11号は紀伊半島を中心に長時間にわたって大雨を降らせ、局地的に1000ミリを超えた所もあった。
 京阪神の都市部でも200~300ミリの降雨を観測し、土砂崩落などで道路や鉄道などの交通機関がまひした。直轄河川では計画高水位、氾濫危険水位を超過した河川はなかったが、新宮川水系相野谷川や加古川水系加古川の一部では避難判断水位を超えた。和歌山県新宮市などから内水排除のため、近畿整備局に出動要請があり、排水ポンプ車を派遣するなど自治体の支援に当たった。紀の川本流上流部の大滝ダム(奈良県川上村)では防災操作を行った。16日から17日にかけてダムへの流入量が毎秒約1500立方メートルに達したため、ダムに約760万立方メートルの洪水を貯留。下流に流す量を最大毎秒約300立方メートル低減したことで、下流の五條地点で紀の川の水位を約0・38メートル、三谷地点で約0・18メートル低下させる効果があったとしている。11年9月の紀伊半島大水害により、今なお砂防堰堤工事などが進む土砂ダム対策現場でも被害が発生した。栗平地区(奈良県十津川村)では、16日午後5時50分ごろに湛水池水位が天端排水路に達し、排水路からの越流が発生。河道閉塞(へいそく)土砂の一部が侵食されて下流に流出し、排水路工の護岸として設置した大型土のうも流出した。土石流監視用のワイヤセンサーが2カ所で計4本切断されたが、現時点で土石流の発生は確認されていない。
 道路では和歌山県の国道42号などで通行止めが発生。12日に開通した紀勢道南紀田辺IC~上富田IC間(上冨田町朝来地先)では土砂崩壊のため、現在も下り線(南進車線)が通行止めになっている。和歌山県では、21日現在、県管理道路の国道371号(古座川町真砂付近)、国道371号(古座川町平井付近)、御坊湯浅線(日高町池田付近)、御坊中津線(日高川町山野付近)、御坊中津線(日高川町大又付近)、南金屋由良線(由良町畑付近)、古座川熊野川線(新宮市熊野川町畝畑付近)が、のり面崩壊や路肩崩壊により通行止め。被災箇所付近に拠点を置く建設会社が復旧作業を進めている。大阪府では、18日午後7時30分現在ものり面崩壊により府管理道路4路線4区間が通行止め。このうち茨木能勢線は北摂霊園付近(豊能町高山)で地山が崩れ=写真、延長20メートル、高さ約15メートル、奥行き10メートルの土砂が道路をふさいだ。府職員が地山を視認したところ、崩壊した部分よりさらに上の方でも亀裂が見つかり、付近には高圧線も設置されていることから、今後、復旧方針の詳細な検討に入る。
 茨木摂津線は茨木市安元~車作間でのり面崩壊、豊中亀岡線は亀岡市との境界付近で路肩崩壊と倒木で通行止め。亀岡能勢線の堀越峠付近ではのり面崩壊で片側規制を行っている。神戸市では、21日現在も通行止め箇所がある。表六甲ドライブウェイ(神戸市灘区鶴甲~六甲山)と、小部明石線(藍那ランプ西側~神戸西インター南交差点間)、明石神戸宝塚線(森林植物園~六甲山牧場)は土砂崩れで、宝塚唐櫃線は高丸川に架かる中橋の破損で、通行することができない。宝塚唐櫃線については、8月末ごろの復旧を目指して工事を進めている。
 京都府では、京都市の左京区、右京区、北区を中心に激しい雨を観測。京都市内を流れる鴨川や桂川、京都府北部を流れる由良川など多くの河川で氾濫の恐れがあったほか、道路については事前通行規制を含め府管理道路14路線、府管理道路以外の10路線で通行止めを実施。19日午後5時時点で府管理道路の規制は解除されたが、府管理道路以外は京都市内の府道上黒田貴船線(右京区)と市道牛尾道(山科区)で規制が続いている。滋賀県でも、県北西部を中心に激しい雨が観測された。河川では高島市安曇川町内の安曇川左岸堤防で約50メートルにわたり浸食が見られたほか、道路については6路線で通行止めを実施した。18日午後4時の時点で県道田代朝宮線(甲賀市信楽町)と国道367号(高島市朽木村井)、県道西浅井マキノ線(長浜市西浅井町)が落石や崩土の影響で通行止めが続いているほか、長浜市内の葛籠尾崎塩津線と葛籠尾崎大浦線でも落石の恐れがあるとして規制が続いている。奈良県内では、県南部を中心に土砂崩落などによる道路の被害が相次いだ。県がまとめた道路の被害状況(18日午前6時現在)によると、県管理の道路では国道425号(十津川村重里)が路肩決壊、県道毛原切幡線(山添村毛原地内)が落石の危険があるため通行不能となり、国道169号(下北山村前鬼~上池原)と国道309号(上北山村西原~天川村北角)では崩土により通行止めとなっている。県内で河川の被害はなかった。

台風11号上陸/近畿各地のインフラに被害/地元建設会社が早期復旧に尽力

《日刊建設工業新聞》

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