予想以上に高レベル!南三陸町の「復興の橋デザインコンペ」優秀賞に2作品

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 宮城県南三陸町は19日、志津川地区に架ける橋を対象とした「復興の橋デザインコンペ」の第2次審査を公開で実施し、優秀賞として▽森創太氏、蜷川結氏(nmstudio)▽堀越一希氏(東京理科大大学院)-の2者を選定した。当初は1者に絞り込む予定だったが、審査員5人の票すべてが両者に集中し、実現性やコストを含めた精査も必要との判断から、引き続き審査を行うことにした。橋をテーマに若い世代からアイデアを募る取り組みは全国的にも珍しい。同町の佐藤仁町長は「全国からたくさんの若い人に応募していただけた。関心を持ってもらい、インパクトもあった」と振り返った。
 計画地は志津川。八幡川の河口付近に新たに設置する人道橋(通称・港橋)が対象。代表者を35歳以下とすることが参加条件で、一般市民や学生の応募も可能とした。1次審査には215点の応募があり、このうち5点が2次審査の対象となった。森氏らは、海に張り出した三日月形のデザインを提案。円弧中心部の幅を広くするとともに、海側に緩やかな階段状の傾斜を設けることで、円形劇場のような利用も可能とするアイデアだ。アーバンデザインとしての斬新さといった点で高い評価を得た一方、堤防と干渉するため関係機関との協議が必要になることなどが懸念事項として挙げられた。
 堀越氏の提案は、橋上端を津波到達ラインと同じ高さにすることで、津波の脅威を後世に伝える意図を込めた。津波の高さの記憶と橋のデザインを重ね合わせた分かりやすさや、良質な景観創出への期待感が示されたが、設置される斜材が歩行者にぶつかる可能性があるなど解決すべき点が指摘された。今後、橋の建設コストなども提示しながら、両者に工夫できる点を詰めてもらい、最終的に1者に絞り込む。審査委員長を務めた建築家の隈研吾氏は「予想以上にレベルの高いコンペとなった。実現性があって素晴らしいものを最終的に決めたい。どちらの橋ができても、全国の人から注目を集めるだろう」と語った。佐藤町長は「志津川地区が復興して建物ができていった時に、橋が(八幡川の両岸の)交流に大きな役割を担う。実現に向けて進めていく」と述べた。コンペの事務局は新建築社が務めた。隈氏は同町のグランドデザインや通称・港橋の上流側に造られる中橋の設計も担当している。

宮城県南三陸町/復興の橋デザインコンペ/優秀賞に2作品、絞り込みへ

《日刊建設工業新聞》

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