森田千葉県知事、中小とタイ・マレーシア視察団。東南アでトップセールス 画像 森田千葉県知事、中小とタイ・マレーシア視察団。東南アでトップセールス

インバウンド・地域活性

 森田健作千葉県知事がタイとマレーシアで“海外トップセールス”をかけている。県は9月1日から5日間、「タイ経済ミッション」を初めて実施する。県内中小企業約20人の視察団を編成する計画。現地の進出企業の視察や、投資環境の説明会などで海外進出の芽を育てる。人口が多く市場が成熟しているタイなど東南アジア諸国連合(ASEAN)で千葉の魅力を発信し、県内経済の活性化につなげる。

 森田知事による海外トップセールスは東日本大震災がきっかけ。初回は2011年11月で農産物の輸入規制解除や外国人誘致を求めて台湾で実施した。その後、千葉県の魅力発信に趣旨が変更され、これまでにマレーシア、タイ各1回、台湾に2回訪問している。

 今回の県内企業を巻き込んだタイ経済ミッションは、日本貿易振興機構千葉貿易情報センター(ジェトロ千葉)の協力で行われる。既に進出している金属加工・鉄鋼関連企業の視察や、タイ政府関係者による投資環境や工業団地の説明会などを計画する。荒木稔千葉の魅力発信担当課長は「県内経済の活性化が目的。千葉発企業が海外で元気になれば、県内も元気になる」と後押しする。

 ジェトロバンコク事務所の「タイ日系企業進出動向調査2014」によると、10年以降の日本からのタイ進出は、大企業より中小企業が増加傾向にあるという。ジェトロ海外調査部に在籍経験のある敬愛大学の藪内正樹総合地域研究所長は、「日本の地方経済に元気がない中、成長するASEAN市場は一つの選択肢になる」と分析。ジェトロ千葉の櫻井麻子所長も「タイにもワンストップサービスのサポートセンターがあり、活用してほしい」と後押しする。

 進出企業の声はさまざまだ。千葉県佐倉市に中核工場があるヤマナカゴーキン(大阪府東大阪市)は、12年にタイで自動車向けを中心に鍛造部品生産を始めた。山中雅仁社長は「タイ経済は今後も成長すると思い、受注よりも先に進出した。住環境も含め、インフラは整っており、親日的」と進出決定の背景を語る。

 10年に進出した建設機械向けなどに鋼管を卸売りする扶桑鋼管(千葉県浦安市)の江村伸一社長は「付加価値を提供することができれば、現地に根付くことができる」と主張する。

 日本アセアンセンター(東京都港区)貿易投資部の中西宏太投資担当部長代理は「東南アジアの生産拠点として飽和状態になりつつあるが、付加価値の高い技術力のある外国企業は歓迎している」と高い技術力があれば、進出の可能性は高いとみる。

 トップセールスではクアラルンプール国際空港内の三井アウトレットパークで千葉フェアを開催するほか、タイの県産品フェアで梨のPR、県主催で訪日外国人誘致や農林水産物の販路拡大を促進する商談会などを開く計画。初めて水産物・水産加工品もアピールする。地方創生に向けて複数の市町村長も同行する予定で、オール千葉体制で臨む。(山谷逸平)
日刊工業新聞

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