【インタビュー】地方・中小企業を巻き込んだ新しい産学連携の形――北大、産学・地域協働推進機構 画像 【インタビュー】地方・中小企業を巻き込んだ新しい産学連携の形――北大、産学・地域協働推進機構

インバウンド・地域活性

 北海道大学は産学連携の新たな形を推進するため、4月に「産学・地域協働推進機構」を発足させた。企業や自治体などと組織としての連携強化や北海道の強みを生かした研究も進める。理事・副学長で同機構長の川端和重教授に発足の背景や取り組みなどについて聞いた。

―機構を発足させた理由は。

 「産業界との連携を新しい形でステップアップさせるため、発展的にシステムから見直した。これまでの産学連携は企業と大学の一研究者だけになることも多く、先へ進めるにはお互い新たな経営判断が必要になってしまう。成果自体も出にくかった」 ―組織での連携が重要ということですね。 「組織としての企業と大学が同じ立場で、最後に何ができるかを一緒に考えるため、産業創出部門制度を設けた。企業と大学の研究グループが共同研究する際、我々が産学協働マネジメントとして資金を管理し、ゴールや期間をはっきりとさせて取り組む体制にした」 

―機構内には産学推進本部のほか、FMI推進本部も設け、食と医療を融合させた研究拠点「フード&メディカルイノベーション国際拠点」(FMI)を開設しました。

 「『北大と言えば』というランドマークをつくることが重要で、第1のテーマがFMIだ。北海道は食、医療とも得意分野だが、一緒に研究に取り組むことで一層、社会の課題解決に向かうはずだ。国のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムとして、企業や自治体などと連携し、高齢化に対して、食やネット、病院などを活用した実証事業を進める」 

―注目する分野はありますか。

 「北極がもう一つの柱だ。4月に北大内に北極域研究センターを開いた。北海道は水産や環境科学も得意分野だが、それぞれが研究を進めるだけでなく、北極という世界的課題に力を合わせて取り組む。将来、北極を通じた航海路などで北海道が一大拠点になれる可能性もある」 

【記者の目/企業と大学の役割明確に】 組織対組織で連携することは、企業と大学のそれぞれの役割が明確になり、実際の成果につながることが期待される。新たな北大の価値創出に向けた研究もそれを後押しすることだろう。今後は、全国的にみて弱いとされている北海道のモノづくり分野との連携を進めてほしい。
山岸渉

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