首都圏Look at/都内に200m超ビル続々/都心のスカイライン様変わり 画像 首都圏Look at/都内に200m超ビル続々/都心のスカイライン様変わり

インバウンド・地域活性

 超高層ビルが林立する東京都心部。景気の回復基調が鮮明になり、2020年東京五輪の開催という追い風も受け、民間大規模開発プロジェクトが相次ぎ具体化している。国内最高高さのタワーマンションや、都内最高高さのオフィスビルなど、高さ200メートル超の超高層ビル計画も多い。新たなランドマークの誕生で、都心の超高層ビル群が形成するスカイラインも様変わりしそうだ。

 現在、国内で最も高いビルは、14年に大阪市内に完成した「あべのハルカス」(300メートル)。それまで国内最高高さを誇った横浜市の「横浜ランドマークタワー」(296メートル)を約4メートル上回り、21年ぶりに日本一の記録が塗り替えられた。

 国内では高度経済成長期に東京都心部で100メートル超の超高層ビルの建設が相次いだ。1968年完成の「霞が関ビル」(147メートル)に続き、70年代に入ると西新宿エリアに高さ200メートルを超える「新宿住友ビル」(210メートル)、「新宿三井ビル」(225メートル)が建設された。

 78年には東池袋の「サンシャイン60」(239メートル)、91年には西新宿の「東京都庁第一本庁舎」(243メートル)が当時の国内最高高さを更新。その後は横浜、大阪のビルへと国内最高高さの称号が移った。都内では、07年に完成した赤坂の「ミッドタウン・タワー」(248メートル)が都庁舎を上回り、最近では同じ港区内に公称高さ247メートルの「虎ノ門ヒルズ」が14年に完成している。

 もっとも、世界の超高層ランキングの中では日本の存在感は薄い。現在、世界最高層のビルはアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイで09年に完成した「ブルジュ・ハリファ」(828メートル)。米国やアジア・中東地域を中心に高さ600~400メートルのビルがひしめき、300メートル以上のビルは世界に100棟以上あるという。

 地震大国という防災上の問題のほか、自治体が地区計画などで高さを一定の水準に制限し、良好な都市景観の形成を重視してきたことが、日本が世界の超高層ビル競争と一線を画す一因となった。

 航空法に基づく高さ制限も影響を与える。横浜ランドマークタワーは羽田空港に伴う高さ制限で300メートルに至らず、当初290メートル弱の高さを想定していたあべのハルカスは、07年春の航空法の規制緩和を受けて高さを300メートルに見直した。

 建物の高さは各自治体が地区計画などで絶対高さを設定。容積率の規制もビルの高さを制限する要因となっている。制限を超えた高さのビルを建設するには、都市再生特区など、都市開発に関する諸制度に基づいて特例措置を受ける必要がある。

 国の東京圏国家戦略特区の特定事業に位置付けられた開発案件では、特例措置の適用に向けて都市計画手続きの迅速化が図られる。同特区の関連事業のうち、中央区の八重洲一丁目東地区で計画されている再開発ビル(24年3月完成予定)は都内最高となる250メートルを想定。虎ノ門ヒルズ南側で計画されている高さ220メートルのタワーマンション(19年9月完成予定)は国内最高層のマンションとなる見通しだ。

 超高層ビルを建設する環境が好転する中、高さ300メートル超のビルが都内で建てられる可能性はあるのか。

 都の担当者は「特例措置が適用されれば、都市計画の制度上、高さは無制限。関係者の合意形成や、事業採算性などコスト面の問題はあるだろうが、千代田や港などの都心区で『あべのハルカス』を超える計画が今後出てくるかもしれない」と話している。
日刊建設工業新聞

編集部おすすめの記事

特集

インバウンド・地域活性 アクセスランキング

  1. 横浜北線、3月18日に開通。物流効率化や地域活性化へ

    横浜北線、3月18日に開通。物流効率化や地域活性化へ

  2. 富裕層インバウンドの法則その4

    富裕層インバウンドの法則その4

  3. 「完全個室」超豪華高速バス競争が勃発。各社の戦略は?

    「完全個室」超豪華高速バス競争が勃発。各社の戦略は?

  4. 青函トンネルの大規模修繕、トンネルの延命化へ

  5. 外環道・都内区間整備、本線トンネルのシールド掘進を開始!

  6. インバウンドと30代の女性のニーズは被るらしい

  7. 富裕層インバウンドの法則その3

  8. 渋谷区の"世界一汚いトイレ"、なぜ日本トイレ大賞をとれた?

  9. 遊休物件のコテージが、シーズン稼働率9割を実現した理由

  10. 11室の動くホテル、夜行高速バスの車両価格「い、い、いちおく!?」

アクセスランキングをもっと見る

page top