【解決!社長の悩み相談センター】第7回:資本金1円の会社ってアリ? 話にはよく聞くけど… 画像 【解決!社長の悩み相談センター】第7回:資本金1円の会社ってアリ? 話にはよく聞くけど…

マネジメント

今回の回答者:植田秀史 税理士・中小企業経営革新等支援機関・MBA

質問:
 会社を設立しようと思っています。資本金は1円でも設立できると聞きましたが、1円で設立しても問題ないのでしょうか。また、資本金はいくらなら良いのでしょうか。

回答:
 会社法上、資本金は1円でも設立可能です。しかし、いくつかの理由から1円での設立はお勧めできません。

 まず資本金が1円では、実際に必要な設備の購入や費用の捻出ができません。不足する分は経営者等から借りることになりますが、その結果わずかでも赤字になると、債務超過の状態になってしまいます。

 債務超過とは、会社の資産よりも負債が多い状態を言います。会社の設立当初は赤字になることが多いと思われますので、資本金が1円の場合、2円以上の赤字が出たらもう債務超過の状態です。債務超過は融資を受ける際にマイナスになりますので、できるだけ避けなければなりません。

 また、創業時の融資を受ける際にも、資本金1円では借入ができません。例えば、創業時に金融機関から借り入れをする場合、事実上、日本政策金融公庫の創業融資しか選択肢がありませんが、この制度では貸付金額の上限を資本金の2倍までと決められています。つまり、1円の資本金では2円しか借りられないので、実質的に融資を受けられないのです。

 他にも、資本金は登記されるため、取引先があなたの会社の登記情報を見ると、資本金1円ということがわかってしまいます。取引先にとって、資本金はその会社と取引しても大丈夫かどうかを判断するひとつの基準になるため、1円では相当こころもとないと言わざるを得ません。

 では、資本金はいくらが良いのか、ということを考えてみましょう。資本金は、事業を始めるにあたって必要な設備投資資金と、売上で経費をしっかり賄えるようになるまでの運転資金と考えることができます。

 たとええば事務所の設立資金100万円、備品等50万円、家賃を含めた経費が月60万円として、売上を月60万円以上(つまり経費を賄える金額に)上げるまでに6か月かかるとすると、必要な手元資金は以下のように計算できます。

100万円+50万円+(60万円×6か月)=510万円

 つまり、最低510万円以上は資本金を用意しておきたいところです。売上の見通しは外れることが多いので、余裕を持ってこの2倍以上は資金が欲しいところでしょう。この場合、もし手元に500万円あるのであれば、これを資本金として、不足分を日本政策金融公庫の創業融資を活用することができます。上に書いたとおり、創業融資では資本金の2倍まで借り入れできますので1000万円を借入し、資本金と合わせて1500万円で事業を始める、というのが実際的な計画になってくるでしょう。

 この他、資本金を決める際に考えることとしては、主に税務の観点から以下のようなものがあります。

《植田秀史》

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