低燃費社会は経済も停滞する?――石油依存の経済構造に耐えうる技術開発を 画像 低燃費社会は経済も停滞する?――石油依存の経済構造に耐えうる技術開発を

マネジメント

5月20日パシフィコ横浜にて人とくるまのテクノロジー展2015が開催された。
同展内では「2050年の社会情勢を見通した交通システムと自動車用動力の方向性―将来の自動車社会にどのように備えたらよいか―」と題した春季大会フォーラムが開催された。


◆2030年から2050年にかけ石油と経済に大きな変化が起きる

フォーラムには、トヨタ自動車やアイシン精機などが出資する技術系シンクタンクのテクノバより、中田雅彦氏が登壇。「石油と経済から展望する2030年-2050年」と題して講演を行った。中田氏は、トヨタ自動車第3エンジン技術部部長、第1エンジン技術部シニアスタッフエンジニア等を歴任後、2002年に定年退職し、トヨタテクノサービス主任研究員に就任後、現在に至る。テクノバでは自動車用将来燃料、エネルギー供給等の調査に従事した経験ももつという。

冒頭で中田氏は石油と経済が関連すると述べる。「石油価格が上がると、景気が悪くなって、社会情勢に大きな影響を与える。これは技術の動向にまで影響するので、石油問題は、将来の自動車技術の今後を考える上でも考慮していかなければならないテーマだ」。

その上で「様々なデータに基づくと、2030年から2050年にかけて石油と経済に大きな変化がおきることが考えられます。2030年以降はこの変化に対応しなければならなくなる」と中田氏。


◆低燃費社会への移行、世の中は構造的な不況に

「現在の論調として“CO2を減らさなければならない”ということが色々なところで言われており、これは低燃費社会にせざるをえないことを意味する。低燃費社会になるということは経済発展の低い、停滞をする世代になってくることとなるだろう。そして石油の供給量が減少していくことから、経済発展がしにくい石油価格となり、世の中は構造的不況にならざるを得ないのではないか」と予測する。

さらに続けて石油に関わる問題をはじめ2030年にかけて負の要因が多いことが指摘された。中田氏はこのような展望を述べたうえで、今後はこの経済環境に順応せざるを得ず、2025年や2030年のようなターニングポイントにむけての方策を準備していくことが必要、と述べた。


◆「現在の延長ではない、未経験の社会」に向け新たな技術開発が必要に

中田氏は、安い石油の供給が減少することを予測し、現在から2040年にかけて約3分の1から4分の1になるという予測がされる。一方高価格の石油の開発からは、現在石油会社が手を引いている状況のため、安いものも高いものも含めて石油の供給量が減少していく結論になりうるという。中田氏はまとめとして、2030年以降は今までの延長ではない「負の要因の多い未経験の社会へ」突入するとし、変化を前提とした技術開発の必要性を強く訴えた。

【人とくるまのテクノロジー展15】石油供給量の動向を前提に新たな技術開発を

《北原 梨津子》

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