自動車産業の10年後を見据えたグローバル戦略――日本のものづくりが生き残るため 画像 自動車産業の10年後を見据えたグローバル戦略――日本のものづくりが生き残るため

マネジメント

5月20日パシフィコ横浜にて開催された「人とくるまのテクノロジー展2015」に合わせ、「2050年の社会情勢を見通した交通システムと自動車用動力の方向性―将来の自動車社会にどのように備えたらよいか―」と題されたフォーラムが開催された。

このフォーラムにおいて、ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹氏が「グローバル自動車産業の現状と将来課題―自動車産業の競争優位の変化と日系自動車メーカーの戦略と課題」と題し講演を行った。

◆長期的ビジョン持ち、風通しのよい組織づくりを

中西氏は将来的な自動車業界について「長期ビジョンを持つ」ことの重要性を指摘する。

「自動車メーカーの方とお話しをしていると、どこまでも現地現物、目の前の現実の世界にあるものについて語ることが非常に多い印象がある。あまり先の話をしない、長期的なビジョンをもちえない性質があるように思います。日本の製造業自体がそもそも柔軟性に富み、先のことを決めてしまうよりも目の前のことをキチッキチとこなした方が良い結果を出せていた時代があった。しかしそういったモノづくりのアプローチが封じ込まれ始めているのも現実。目の前のことだけをすることで風通しの悪い組織をつくってしまっているのではないか」と指摘する。

世界の自動車市場は成長を持続するが、国内市場は成熟期から衰退期に向かうことが不可避。日本メーカーにとりグローバル市場で勝つ以外生きるすべはなく、グローバル市場で今後展開されることが予測される国際標準化、国家間競争にそなえて産官学が協力するためにも、従来のモノづくりのスタイルを打破し組織の風通しを改善していくべきと強調。

◆今後攻めるべき海外市場は「一番は中国、競争の激しいASEAN5にも今一度」

この他中西氏は「日本ブランドの地域戦略マップ」を掲げ、今後重要となる海外市場について言及。

特に中国を「最も攻め込むべき市場だ」とし、またASEAN5について「今、どんどん攻め込まれている市場ではあるが、もう一度この市場に侵攻していく必要がある。トヨタが行っているような、例えばインドネシアそのもののポテンシャルを引き上げて、そこで大きな規模を確立していくような戦略が重要になる」とコメント。両地域への取り組みを強化すべきと指摘した。

この他ロシアや欧州市場については、どんなに頑張っても勝てない、負け犬領域とした。日本は「マザー機能」をもち、開発拠点として重要な役割を今後も持ち続けるとした。

【人とくるまのテクノロジー展15】日本のモノづくりが生き残るために、10年後を見据えたグローバル戦略を

《北原 梨津子》

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