「機能性表示食品」に関する意識調査――消費者は健康を意識しつつ価格も重視 画像 「機能性表示食品」に関する意識調査――消費者は健康を意識しつつ価格も重視

マネジメント

●機能性を表示した食品が増える

 4月1日から新しく「機能性表示食品」制度が始まった。6月からこの制度に沿って、機能性を表示した食品が市場に現れる予定だ。調査によると消費者の健康志向は強いが、ただ「健康によさそう」というだけでは商品を購入しなくなっている。

 イード、ロイヤリティマーケティング、シード・プランニングの3社は共同で、「食品・飲料の購入実態と機能性表示食品制度に関する意識調査」を実施、5月12日にその結果概要を公表している。

 調査では、消費者の食品・飲料購入時の意識を調べた。普段から健康に配慮した食品・飲料を購入するよう意識しているかという問いでは、「健康を意識した商品であれば、価格を気にせず選ぶようにしている」が5.5%、同じく「多少高くても選ぶようにしている」が25.3%、合わせて30.8%だ。これらに対して、「健康を意識した商品でも、価格を優先して選ぶようにしている」は57.0%にのぼった。

 “高いと思えば購入しない”人は6割近くになったものの、「今後の摂取意向」については、「取りたい」と「どちらかというと摂りたい」との合計で、トクホ(特定保健用食品)は68.5%、栄養機能食品は67.2%、サプリメントなどが56.3%で、摂取意向は高い。同時に「商品のパッケージに書いてあることをよく読む」人も過半数の52.5%いることから、説得力のある機能性表示が求められていることが示唆される。

●健康によいと言われる食品の摂取意向は高い

 機能性を表示することができる食品は、これまでは、国が個別に許可した特定保健用食品(トクホ)と、国の規格基準に適合した栄養機能食品に限られていた。機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者がそうした商品の正しい情報を得て選択できるようにしたのが、新しい「機能性表示食品」制度だ。

 この制度でいう機能性とは、ある食品が持つ機能性のうち、例えば「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の保健の目的=健康の維持および増進に役立つことが期待できる機能性であり、機能性表示食品とは、そういった機能性を表示することができる食品のことだ。

 安全性の確保を前提とし、科学的根拠に基づいた機能性が、事業者の責任において表示される。この点が、国が審査を行ない許可する「特定保健用食品」、国が定めた表現によって機能性を表示する「栄養機能食品」と異なる。


 「食品・飲料の購入実態と機能性表示食品制度に関する意識調査」では、食品の4分野について「健康によいと言われる成分を、通常よりも多く含む」食品の今後の摂取意向を尋ねた。「摂りたい」と「どちらかというと摂りたい」を合わせて、生鮮食品(野菜や果物など)が84.7%、加工食品72.0%、冷凍食品68.0%、オーガニック食品64.7%となった。とくに生鮮食品は「摂りたい」が22.0%でほかの3分野よりも高い。

 回答者を男女別に集計したところ、「取りたい」と「どちらかというと摂りたい」との合計で、いずれの項目でも女性のほうが健康志向が強い。トクホの食品・飲料が72.1%、生鮮食品が88.1%などとなっている。男女の差で見ると、栄養機能食品が女性71.4%に対し男性62.8%、オーガニック食品が女性71.8%に対し男性57.5%と、差が大きい。

●事業者が安全性および機能性を届け出

 特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の違いを少し詳しく見てみると、トクホは、表示されている効果や安全性について国が審査を行ない、食品ごとに消費者庁長官が許可する。健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されている。

 栄養機能食品は、一日に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)が不足しがちな場合、その補給・補完のために利用できる食品。すでに科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含む食品であれば、届出なしでも、国が定めた表現によって機能性を表示することができる。

 これらに対して機能性表示食品は、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品だ。事業者が販売前に、国の定めたルールに基づき安全性および機能性の根拠を評価するとともに、生産・製造、品質の管理の体制、健康被害の情報収集体制を整え、商品の販売日の60日前までに消費者庁長官に届け出る。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない。

 届け出られた内容は消費者庁のウェブサイトで公開され、消費者は、商品の安全性や機能性がどのように確保されているのかなどについて、商品の情報を販売前から確認できる。5月22日現在、26件の届出情報が開示されている。

「機能性表示食品」制度始まる……イードなど健康意識を調査

《高木啓》

編集部おすすめの記事

特集

マネジメント アクセスランキング

  1. レセプト情報や健診情報のビッグデータ活用で健康経営を支援

    レセプト情報や健診情報のビッグデータ活用で健康経営を支援

  2. コマツ、日本トイレ大賞大臣賞受賞!

    コマツ、日本トイレ大賞大臣賞受賞!

  3. 靴の上に履くJIS準拠の「安全靴」――山善『フットプロテクター』

    靴の上に履くJIS準拠の「安全靴」――山善『フットプロテクター』

  4. 物流デベロッパー・トップの視点(3):GLP・帖佐義之社長、高級ではなく快適さ追求

  5. 中小企業間でも格差拡大、課題は人材――中小企業白書分析

  6. インバウンドだけでなく日本人旅行者も…星野リゾート代表

  7. 「安全道場」で鍛える防災意識~川崎重工業

  8. インバウンド対策、ツールでも――中国語・韓国語にも対応の極小LED文字盤がキャンペーン

  9. 首都高速会社が大規模更新事業で羽田線大師橋架替。事業者向け説明会、3月16日に都内で

  10. スーパーの敷地にバーベキュー場……「手ぶらでバーベキュー」がブームの兆し

アクセスランキングをもっと見る

page top